WordPressによる会員制サイトの作り方。有料コンテンツも設定可能

ユーザー登録してくれた会員だけに限定コンテンツを配信したり、有料サービスを提供したりするために会員制サイトを作りたいと考えている人は少なくないでしょう。自分で作るとなると複雑に感じてしまうかもしれませんが、WordPressのプラグインを利用すれば、難しいシステムの構築など必要なく、また、導入コストを抑えることができます。

今回はWordPressを使った会員制サイトの作り方やおすすめのプラグインを紹介します。

会員制サイトとは

会員制サイトとは、IDやパスワードなどでログインしてもらうことで、特定のユーザーに情報（コンテンツ）を発信できるサイトのことです。通常のサイトはオープンであるため、情報の価値というのは平等なものといえます。一方、会員制サイトは会員のみに限定して情報を発信することができるので、通常のコンテンツとの差別化を図ることができるのです。

また、登録してくれた顧客だけを対象に商品やサービスに関する資料を提供するという使い方をした場合、ユーザーを囲い込むことができるので、メールなどで新たなサービスの紹介やお得な情報などを配信することで、固定顧客を増やすことも期待できます。

なお、会員同士がコミュニケーションを取るサイトを作ることもできます。会員同士で繋がりができれば、サービスの情報交換を行うことで双方が熱量を肌で感じることができ、自社（自身）のファンを育成することもできるでしょう。例えばファンクラブのコミュニティがこれに該当します。

もし不適切な発言や行為があった場合は、登録時の個人情報をもとに処置を取ることもでき、ユーザーにとっても責任と同時に安心を感じる要素にもなるので、コミュニティ構築を目的とするのであれば、会員制サイトにするのがいいでしょう。

実装可能な会員向けコンテンツの例

ここでは会員制サイトを使った事例を紹介します。

有料コンテンツ・サイトの作成

会員制サイトを作ることで継続課金の仕組みを立ち上げ、動画や音声などのコンテンツを展開したり販売したりすることができます。

また、エステやカウンセリングといったオフラインサービス提供に関わる予約管理なども会員制サイトで行うことができます。

コミュニティの作成

オンライン交流会や、自社サービスのファンページなど、会員同士で楽しむことができるコミュニティサイトを作ることができます。ユーザー視点での意見が飛び交うので、会話をきっかけに新たなサービスや商品が生まれるかもしれません。また、フリーランスなど、個人で活躍している方であればオンラインサロンとして開設することもできます。

ステータスに応じた権限の設定

無料、有料、サブスクの登録有無など、会員のステータスに応じて閲覧できるコンテンツの権限を設定することができます。これにより、ステータスが上がることによるプレミアム感が会員全体に伝わりやすくなり、有料会員の満足度も得られやすくなるでしょう。

ECサイトに適用させれば、ステータスに応じて特別価格に設定したり、流通量の少ない商品を提供したりするといったことも可能です。多くのECサイトはオープンでおり、誰でも商品を閲覧でき、また、サイトによっては会員登録せずに購入することもできますが、これによって他サイトと差別化を図ることができます。

会員制サイトの作り方と注意点

ここでは、WordPressを使った会員制サイトの作り方や注意点、おすすめのプラグインを紹介します。

作り方

WordPressで会員制サイトを作る場合は、プラグインをインストールして機能を追加する必要があります。プラグインを選ぶ際のポイントは、作成する予定の会員制サイトの目的を明確にすることです。

コミュニティサイトにしたいのか、ECサイトにしたいのかなどを決め、クレジットカードやカートなどの機能面で必要なものを選択します。なお、最初から会員制サイトの基本機能が備わっているデザインもあるので、一からサイトを作成する場合や大幅にリニューアルする場合はそちらもおすすめです。

注意点

セキュリティ

会員情報は個人情報なので、取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。自分一人で会員制サイトを作る場合、少しでも不安がある場合は、専門家にサポートしてもらうといいでしょう。

プラグインの情報

プラグインを選ぶ際は、ユーザーからの評価やアップデートの頻度を確認するようにしましょう。保守サービスが適切に行われているか、サポートが充実しているかも大切なポイントです。

扱いやすさ

プラグインを選ぶ際は、会員ページや専用のログインページなどの設定が簡単か、会員の識別は見やすいかなども重要視するようにしましょう。使っていて手間があると管理がしづらくなったり、何か対応する際もエラーが発生しやすくなったりするので、円滑にサイトを管理する上では大切です。

おすすめのプラグイン

WP-Members Membership

会員のプロフィールと専用のログインページは、ショートコードを記述するだけで設定が可能です。基本的な機能は無料で使用することができますが、有料プランに加入することでネットショップを構築できるプラグインWooCommerceやPayPalが使用可能になります。ユーザーごとにページのアクセス制限を設けることはできません。

▶WP-Members Membership

Memberful WP

無料プラン内にクレジットカード決済が備わっているプラグインです。Memberful WPを利用する場合は公式サイト上で会員登録が必要で、クレジット機能を利用するにはStripe（ストライプ）のアカウント登録も必要です。

無料プランは選べるカテゴリが2つまでであり、機能を拡張する場合は有料プランへの登録が必要です。有料プランは月額制で、プロ版が25ドルでプレミアム版が100ドルです。

▶Memberful WP

Simple Membership

会員登録、ログイン、パスワードリセットなど、主に会員制サイトに必要なページはショートコードを記述するだけで設定が可能です。会員のグレード分けを行うことができるので、ランクごとに権限や特典を設けたい場合におすすめです。

PayPalなどの決済サービスを使うことも可能で、有料会員の設定を行えます。また、メンバーシップを無制限に設定できるというのも大きなポイントです。

ただ有料プランがない（有料のアドオンはあり）ですが、フォームのカスタマイズや決済サービスの導入が少し難しく、他のプラグインより使いづらいと感じるかもしれません。

▶Simple Membership

Groups

会員のグレード（グループ）分けを行うことができるプラグインです。グループごとにアクセス制限を設けることが可能で、会員の中からさらに対象者を限定したコンテンツを作ることができます。例えば冒頭部分は無料で閲覧が可能で、それ以降は有料会員が閲覧可能といった設定も可能です。会員グループの上限数は無制限です。

▶Groups

WordPressで会員制サイトは簡単に作れる

WordPressのプラグインには、会員制サイトに必要な機能が備わっているものがあり、また、設定も簡単にできるものが多いので、すぐに開設することができるでしょう。

しかし、WordPressを利用したことのあるユーザーがそのサイトを見た場合、どのプラグインを使っているのかわかってしまう可能性があります。そのため、信用度の低いプラグインを使用していると、サイト自体も信用を無くしてしまうおそれがあるということは念頭に入れておいた方がいいでしょう。

会員制サイトを作る上では、ページを客観的に見て違和感がないか、ユーザーが安心して使えるような仕組みになっているかということが大切です。まずはユーザー目線になってどうすれば快適に使えるサイトになるのか考えてみるといいでしょう。