ピクトグラムとは?身近な例やメリットについてわかりやすく解説!
2020年の東京オリンピックの開会式で大きな話題となった「ピクトグラム」。この時初めて、ピクトグラムという言葉を耳にしたという人も多いはずです。
実は、道路標識・構内案内図・非常口などで見かける絵文字がピクトグラムの1種なのです。国籍・年齢関係なく情報を使える手段として有効となります。
本記事では、そんなピクトグラムの歴史やオリンピックとの関係性、代表的なピクトグラム一例や活用事例を解説していきます。商用利用可能なピクトグラム素材サイトや、作成におすすめなツールも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
ピクトグラムとは
ピクトグラムとは、何らかの意味や情報を伝えるシンボルの総称です。一般的には「絵文字」「絵単語」と言われますが、SNSなどで使う絵文字とか区別されています。
科学のような厳密な定義はありませんが、日本サイン学会元会長の太田幸夫さんの著作によれば、下記のように紹介されています。
意味するものの形状を使って、その意味概念を理解させる記号。
引用元:『ピクトグラム〈絵文字〉デザイン』
なおピクトグラムは、言葉で伝えづらい情報をイラストやグラフ・チャートや地図などで視覚的に表現した「インフォグラフィック」の1つとされています。
ピクトグラムの歴史
現在のピクトグラムにつながるグラフィック・シンボルの始まりは、1920年代にオーストリアの哲学者「オットー・ノイラート」が考案した「アイソタイプ(ISOTYPE)」だと言われています。
アイソタイプとは、International System Of TYpographic Picture Educationの頭文字を取って名づけられたもので、地球上にある全ての言語に対応する国際図説言語(補助言語としての図記号)として作られました。
その目的であり中心となる価値観は、図表によって理解や意思疎通を補助することにあります。図表を利用すれば、より単純かつ非言語的な情報の伝達を促進することができるでしょう。
オリンピックとピクトグラムの関係性
▶参照:光る各国の個性!オリンピック歴代ピクトグラムを一気見せ|NHK(リンク切れ)
視覚的に情報伝達できるピクトグラムは、言語が異なる民族が一堂に会するオリンピックでも使われています。その歴史は古く、1936年のベルリン・オリンピックや1948年のロンドン・オリンピックでは既にピクトグラムが使われていました。ただし、当時のピクトグラムはデザインに統一性がありませんでした。
オリンピックに特化した「スポーツピクトグラム」が誕生したのは、1964年の東京オリンピックです。このスポーツピクトグラムは、英語圏ではない日本と世界を繋ぐためのコミュニケーションツールとして大きな影響を与えました。
そして現代。2020年の東京オリンピックでは、開会式でピクトグラムを採用したパフォーマンスが話題になったのは、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。このように、ピクトグラムとオリンピックは切っても切れない関係性となっています。
ピクトグラムのメリット
ピクトグラムを取り入れる主なメリットは以下の通りです。
- 言語の壁がなくなる
- 図形と色の2つで情報を伝達できる
- 遠くからでも認識しやすい
- 記憶に残りやすい
- ユーザビリティが向上する
ピクトグラムを取り入れる最大のメリットは、言語の壁がなくなることです。言葉ではなく図記号で情報をまとめることで、国籍・年齢問わず誰もが何を意味するのか理解できます。
また、色を組み合わせることで、緑色は安全・赤は危険など、追加情報を付与できます。図なので一瞬で情報を伝達でき、記憶に残りやすいというのもメリットと言えるでしょう。
代表的なピクトグラム一例
代表的なピクトグラムの一例をまとめました。以下は、JIS(日本工業規格)で標準化されているものです。
トイレ | エレベーター | 病院 |
---|---|---|
喫煙所 | コンビニ | 駐車場 |
きっぷ売場 | 無線LAN | 非常ボタン |
一般注意 | 一般禁止 | 進入禁止 |
非常口 | 広域避難所 | 静かに |
▶引用元:案内用図記号 JIS規格|国土交通省
このほか、ISO(国際規格)に認定されているものや、規格のデザインを元に各企業がアレンジしているものなど、様々なピクトグラムが存在します。
身近なピクトグラムの活用事例
ピクトグラムは、家・街中・商業施設など身近なところにあります。以下のような場所・箇所でピクトグラムが活用されています。
- 道路標識
- 地図記号
- 館内・構内案内図
- トイレマーク
- 喫煙所マーク
- 非常口・避難所マーク
- 衣類の洗濯表示マーク
- Wi-Fiマーク
とくに、人が多く集まる空港・駅・病院・役所・ホテルなどでは、積極的にピクトグラムが使われています。外国人向けのパンフレットなどでも使用さえれています。意識していないだけで、私たちの生活の至る所でピクトグラムを発見できることでしょう。
Webサイトでもピクトグラムの利用が増えている
Webサイトでもピクトグラムの利用が増えています。アイコンとして使われることが多いですが、「検索(虫眼鏡)マーク」「メールマーク」などもピクトグラムに当てはまります。
直感的にサイトを利用できる、言語の壁がない、ユーザーエクスペリエンス向上に繋がるなどのメリットがあります。積極的にWebサイトにもピクトグラムを取り入れてみてください。
無料で使えるピクトグラム素材サイト
Webサイトやパンフレットなどにピクトグラムを作成したいと考えているなら、商用利用可能な素材サイトがおすすめです。無料で使えるサイトを3つ紹介します。
シルエットAC
公式:シルエットAC
シルエットACは、無料素材サイト「写真AC」の兄弟サイトで素材の数が非常に多いのが特徴です。会員登録することで、商用利用可能なjpg,png形式の素材を無料でダウンロードできます。有料プランでは、aiファイルとepsファイルもダウンロード可能です。
ヒューマンピクトグラム2.0
ヒューマンピクトグラム2.0も、商用利用可能な素材サイトです。バリエーションがかなり多く、1つのジャンルをもってしても様々な見た目のピクトグラムが用意されています。例えば結婚式のピクトグラムひとつとっても、新郎と神父と教会が並んでいるだけでなく、新郎だけ、神父だけ、あるいは色違い、異なる服装をしているといった具合です。画像形式は、jpgやpngだけでなくaiファイルが選べます。
ピクトアーツ
公式:ピクトアーツ
「ピクトアーツ」では3Dシルエットのピクトグラムが入手できます。会員登録不要、商用利用可能でクレジットの表記も必要ありません。気軽に利用できる素材サイトです。配布ファイル形式はpngです。
おすすめのピクトグラム作成ツール
ここでは、自作のピクトグラムを作成したい人向けに、おすすめのツールを3つ紹介します。
Canva
公式:Canva
Canvaは、誰でも無料で利用できる画像編集ツールです。ピクトグラムを含めたインフォグラフィック用のテンプレートが用意されています。デザインに自信がなくても、プロが作成したような質の高いピクトグラムが作成できることでしょう。
Visme
公式:Visme
Vismeは、ブラウザ上で利用できるインフォグラフィック作成ツールです。ピクトグラム用のテンプレートが用意されているので、簡単なものなら15分ほどで作成できます。日本語対応ページもあるので、英語に不慣れな人でも容易に利用可能です。
easelly
公式:easelly
easellyは、自由度の高いインフォグラフィック作成ツールです。テンプレート作成はもちろん、ゼロベースの完全オリジナルのピクトグラムを作成できます。手軽さよりも、オリジナリティにこだわりたい人向けのツールです。
まとめ
ピクトグラムは目を引き、素早く視覚的に情報を伝えます。この特徴を生かして提案書やプレゼン資料に活用すれば、情報を受け取る側の負担を軽減できるかもしれませんし、デザインのアクセントにもなります。
素材の多くは無料で使えるので、まずはビジネスの資料作りから活用してみると良いです。テキストだけの資料よりも情報が整理され、伝わりやすくなることが期待できることでしょう。
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