アパレル業界の集客方法14選!マーケティング施策で売上を伸ばす方法を大公開
アパレル業界での集客を成功させるには、押さえるべきポイントや集客方法があります。本記事では、アパレル業界の市場動向をはじめ、今すぐ取り組みたいオンラインでの集客方法から、地域を絞って効果的にアプローチ可能なオフラインでの集客方法に至るまで徹底紹介します。
「店舗の売上を安定させたい」「もっとお客様を増やしたい」「多くの人にファッションの楽しさを知ってほしい」そんなアパレル業界の方々へ向け、面白い企画アイディアや具体的な販促施策、失敗しないためのポイントまで、”売上を出し続ける店舗”になるためのヒントをお届けします。
目次
アパレル業界で集客を成功させる鍵

アパレル業界で集客を成功させるには、まず市場の動きや消費者ニーズの変化、業界トレンドなどを押さえることが重要です。時代に即した集客方法を選ぶためにも、現在のアパレル市場がどのような状況にあるのか理解しておきましょう。
アパレル市場の現状と課題
アパレル業界と聞くと「不況なのでは?」と思う方も少なくないでしょう。事実、株式会社矢野経済研究所の「国内アパレル市場に関する調査(2022年)」によると、紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品を合計した2021年の国内アパレル総小売市場規模は、コロナ禍に伴う行動抑制が緩和され前年からはやや増加したものの、コロナ前の水準には戻っていないとされています。
今後のアパレル業界の展望も明るくないとする見方があります。主な要因は、少子高齢化に伴う国内人口の減少と、世界情勢の影響による原油をはじめとする物価の高騰です。
物価の上昇が一般消費者へ与える影響は大きく、新たな服を買い求める消費者が減少するのは容易に想像できます。こうした継続的な市場の成長を期待しにくい今だからこそ、時代に即した集客方法に取り組む必要性が出てきているのです。
▶参照:株式会社矢野経済研究所「国内アパレル市場に関する調査を実施(2022年)」
消費者ニーズの二極化を理解する
2025年現在のアパレル店舗やECサイトで買い物をする消費者のニーズは、「低コスト志向」と「高級志向」に二極化しているとされています。
ユニクロ(UNIQLO)やジーユー(GU)、ザラ(ZARA)といったファストファッションの品質向上や、メルカリなどのフリマアプリの流行で”手軽に安価なもの”を手に入れやすくなったことが低コスト志向の増加につながっています。
一方で高級志向が増えた背景には、外出自粛や在宅勤務の増加により外出機会が減り、トレンドに対する意識が薄れたことがあります。本当に大切なものに目を向け「質の高い衣料品を長く使い続けたい」という風潮が広まりました。
短いサイクルで交換するものは低価格のものを購入し、長年使うようなものは高品質で高級なものを購入するという、2つの志向を上手に利用する消費者も増えてきています。アパレル集客では、こうした消費者ニーズの変化を理解したうえで、各ニーズに刺さる施策を考えることが重要です。
消費者と直接つながる(D2C)
近年、アパレル業界にて「D2Cブランド」という言葉を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。D2C(Direct to Consumer)とは、小売店などの中間業者をはさまずに、SNSや自社ECサイトを通じ、製品を顧客に直接販売するビジネスモデルのことです。
特にアパレル業界との相性が良いとされ、このビジネスモデルに参入し、成功している「D2Cブランド」も多く存在します。D2Cブランドを展開していく際の主なポイントは、「ブランドの価値観」を重視したプロダクト、そして自社のSNS公式アカウントや自社ECサイトを立ち上げるなどして「消費者とつながるための仕組み」をきちんと構築することです。
D2Cには、「消費者のニーズに応えやすい」「中間マージンが少なく軌道に乗れば収益率が高い」といったメリットもあるため、アパレル業者が集客力の向上を図るうえで、検討の価値のあるビジネスモデルといえるでしょう。
▶参照:WWDジャパン「知名度ゼロから2年で売上高10億円 金沢発D2C「ジェンヌ」が表参道の一等地に出店」
オンラインとオフラインを融合させる(OMO)
OMO(Online Merges with Offline)とは、消費者がオンラインとオフラインのチャネルの違いを意識せずに、1つのものとしてとらえて、サービスを受けられるようにすることです。たとえば、オンラインショップ(ECサイト)と店舗の顧客情報を統合し、Web上でも店舗でも変わらずおすすめの商品と出合える、ライブ配信で紹介している商品をECサイトで即時に購入できるようにするなど、「消費者の体験」に重点を置いているのが特徴です。
スマートフォンが普及した現代では、消費者はいつでも好きな情報、必要な情報にアクセスできます。いわば「消費者が選ぶ側」であるということです。だからこそ、従来のような大衆向けの広告や宣伝よりも、消費者一人ひとりの豊かな体験に重きを置いた集客施策に注目が集まっているのです。多様化するアパレル業界の消費者ニーズに対応する考え方として、しっかりと押さえておきましょう。
ファッションを持続可能に(サステナブルファッション)
近年、衣服製品の生産から着用、廃棄に至るまでの環境負荷を考慮した、持続可能なファッション=サステナブルファッションへの取り組みが広がっています。環境省もこの取り組みを推進しており、アパレル企業でも取り入れている企業が増えつつあります。
集客という面からみても、こうした環境に配慮した考え方というのは「高級でも環境に優しく、長く使えるものを身に着けたい」という志向の消費者ニーズとマッチしているといえます。長く着られる丁寧な服作りや、リユース(再利用)しやすい衣類の生産に取り組むことで、環境を守りつつ消費者のハートをつかむことができるかもしれません。
ただし、集客のためにサステナブルファッションに取り組むのでは本末転倒です。環境に配慮した真摯な考え方や、その服の物語に目を向けることが、結果として消費者に愛されることにつながると胸に留めておきましょう。
アパレル業界の集客方法-オンライン編-

近年のアパレル業界では、SNSを筆頭にECサイトやショップアプリなどを活用したオンラインでの集客が盛んです。時代に取り残されず、一歩先の集客を成功させるためにも、それぞれの特徴やポイントを押さえておきましょう。
オンライン集客の最大の利点は、地理的な制約を受けずに幅広い層へアプローチできることです。店舗から離れた場所に住む顧客や、日中は仕事で来店できない層にも情報を届けられます。また、データ分析により顧客の行動や嗜好を把握しやすく、効果測定をしながら改善を重ねられる点も大きなメリットといえます。
SNSを活用した集客戦略
SNSは多くの人々が利用しており、さまざまな年齢層や興味を持つ人々にアパレル商品やブランドを紹介することができます。特にInstagramとアパレル業との相性は抜群です。画像や動画、ストーリーなど多様なコンテンツを投稿できるため、魅力的なビジュアルやストーリーテリングを活用して、ブランドの世界観や商品の魅力を伝えることが可能です。
SNSを活用した集客では、顧客と直接コミュニケーションをとれるのも強みです。リアルタイムなフィードバックや質問に対応することで、顧客の声を受けて商品やサービスの改善につなげることができるでしょう。
SNSを活用して集客を成功させる主なポイントは、強力なブランドイメージを構築すること、高品質なビジュアルコンテンツを投稿すること、ターゲットオーディエンスに合わせたプラットフォームを選ぶこと、インフルエンサーと提携すること、エンゲージメントとコミュニケーションを活発化することです。
ライブコマースで購買体験を変革
ライブコマースとは、SNSなどでライブ配信をしながら視聴者と配信者がコミュニケーションをとりつつ、購買や来店の促進する手法です。アパレル集客と相性が良い取り組みとして近年注目を集めています。日本では、SHIPS(シップス)やUNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)、BEAMS(ビームス)などもこのライブコマースに参入しています。
ライブコマースは、ライブ映像を介して商品を紹介するため、商品の良さが伝わりやすく、視聴者とも気軽にコミュニケーションをとれて、購入時の不安点を解消しやすいといったメリットがあります。
ライブ配信を行う際は、事前にSNSなどで告知しておくのがポイントです。オンラインとオフラインを融合させるOMO戦略の一つとして、SNS集客と併せて検討したい集客方法といえるでしょう。
ECサイトで24時間の販売機会を創出
店舗を構えるアパレルショップにおいて、ECサイトは第二の店舗として活躍します。オンライン上で営業するため、時間や場所に制約されずに24時間いつでも商品を閲覧・購入でき、顧客は自身の都合に合わせてショッピング可能です。
ECサイトでは、顧客の購買パターンや興味・嗜好に基づいて、個別に商品や情報を提供することができるという魅力があります。ネットショッピングをしているとよく見かける「こちらの商品もおすすめ」「これを買った人はこちらの商品も見ています」といったレコメンド機能を利用することもできます。併せてメールマガジンを配信することで、顧客は自分に合わせたオススメ商品や特別なセール情報を受け取ることができるため、より一層あなたの商品に魅力を感じるでしょう。
ECサイトを活用して集客を成功させるポイントは、ユーザーフレンドリーなWebサイトを構築すること、高品質な商品写真と説明を提供すること、SEOを最適化して検索エンジンでの表示を向上させること、ソーシャルメディアとの連携を強化しSNSでのシェアを促すこと、メールマーケティングやプロモーション活動を通じて顧客を引き付けることです。
ECモールへの出店で認知度を拡大
自社ECサイトとは別に、Amazonや楽天市場といったECモールを活用する集客方法もあります。ECモールとは、複数の企業や店舗が集まり、自社の商品やサービスをオンライン上で販売するプラットフォームです。
知名度のあるECモールでは、多くの顧客にアクセスでき、広告やプロモーションなどのマーケティング活動も積極的に行われているため、高い集客力とブランド露出を期待できます。一方で、手数料や販売手数料といったいわゆる”中抜き”もあるため、その点は注意が必要です。
とはいえ、顧客にとっても利便性が高く、購買手続きや決済手続きが用意であったり、出店側は在庫管理や注文処理、配送などの業務を効率的に行えたりなどの利点もあるため、自社ブランドの戦略次第では、参入の余地のある選択肢といえるでしょう。
ショップアプリでロイヤル顧客を育成
ショップアプリとは、特定の企業やブランドが提供する、スマートフォンなどのモバイル端末上で利用できる専用のアプリケーションのことです。企業のオンラインストアやブランドショップの商品をアプリから直接購入したり、最新の情報やキャンペーンを受け取ったりすることができます。アパレル業界でいうと、GU(ジーユー)やNike(ナイキ)といったブランドがショップアプリを展開して集客・売上アップにつなげています。
ショップアプリでは、会員限定のセール情報や割引クーポン、新商品の先行予約などをアプリ内で提供したり、プッシュ通知を活用してユーザーに最新の情報やキャンペーン情報を迅速に届けたりして、ユーザーの関心を引き付けることが可能です。総務省が毎年実施している「通信利用動向調査」によると、実に日本国民の9割以上の世帯がスマートフォンを保有しているとされるため、ショップアプリがあれば、幅広いユーザーへ効率的にアプローチできるでしょう。
ショップアプリを活用して集客を成功させるポイントは、ユーザーにとって魅力的な機能を提供すること、優れたユーザーエクスペリエンスを提供すること、プッシュ通知や特典などを活用して顧客との関係を強化すること、ソーシャルメディアとの連携を強化しアプリのシェアを促すこと、データ分析を活用して改善点を把握しアプリの最適化を行うことです。
Web広告でターゲット層に効率的にアプローチ
Web広告は、インターネットを通じて多くの人々にアクセスするため、地理的な制約や時間の制約を超えて広告を配信することができ、幅広い層の顧客に対して集客を行うことが可能です。
一般的に「広告」と聞くと大衆向けの告知や宣伝を思い浮かべるかもしれませんが、実はWeb広告は、ターゲットとなる人々を細かく設定することができます。たとえば、年齢、性別、地域、興味関心などの情報を基に広告を配信することが可能です。このようにターゲットに向けた広告を展開することで、効率よく自社製品に興味を持ちそうな層へアプローチできる魅力があります。
アパレル集客に効果的なWeb広告には、ブログやニュースサイトなどのWebページ上にバナーや画像広告を掲載するディスプレイ広告、検索エンジン上で特定のキーワードに関連する広告を表示させる検索連動型広告、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアプラットフォーム上で広告を配信するソーシャルメディア広告、既にWebサイトを訪れたことのあるユーザーに対して再度広告を表示するリマーケティング広告などがあります。
ファッションメディアを活用した情報発信
アパレル業界では、FASHION PRESS(ファッションプレス)やFASHIONSNAP.COM(ファッションスナップ)といったファッションメディアへプロモーションを依頼することで、集客を増やすことも可能です。こうしたファッションメディアは、日々ファッションに関心のある読者やフォロワーに向けて情報を発信しているため、業界において一定の影響力をもっています。
ファッション好きの人々に効率よくアピールする方法として、取り入れてみるのも良いでしょう。ファッションメディアを活用したアパレル集客の具体的な方法には、新商品の発売や限定アイテム、特別なコレクションなど注目すべき情報をファッションメディアに向けてプレスリリースとして発信すること、ファッションメディアに自社のブランドや商品に関する紹介記事の執筆依頼をすること。
ほかにも、ファッションメディアが提供するスタイリストやモデルとのコラボレーションを行うこと、ファッションメディアが実施するインタビューやエキスパートコラムに自社の代表者やデザイナー、スタイリストなどが参加すること、ファッションメディアと特別なイベントやキャンペーン、コンテストなどを共同で企画・実施することなどがあります。
Googleマップ(MEO対策)で近隣顧客を獲得
アパレル店舗がGoogleマップを活用すれば、近隣のユーザーに対して効果的にアピールできます。ユーザーがファッション関連のキーワードや地域名を検索すると、Googleマップ上に関連する店舗情報が表示されます。店舗へのアクセスの仕方だけではなく、営業時間や連絡先、関連するサイト情報などが見やすく表示されるため、ユーザーは直感的にあなたの店舗のことを把握することができるのです。
Googleマップではユーザーが店舗のレビューや評価を投稿することが可能です。良い評価や口コミが表示されることで、信頼性や魅力が高まりますし、逆に悪い評価やクレームがあったとしても、きちんと改善に取り組むことで、顧客満足度を向上させることができるでしょう。
現にGoogleマップを活用したMEO対策での集客は、店舗ビジネスには欠かせない方法として注目されています。まだ取り入れてない場合は、ぜひ検討してみてください。Googleマップを活用した集客を成功させる手順は、Googleビジネスプロフィールに登録すること、正確な店舗情報を提供すること、店舗や商品の写真を追加すること、レビューや評価を管理し返信すること、イベントやプロモーションの情報を更新すること、Googleマップ広告を検討すること、マップ上での表示を最適化すること(MEO対策)です。
オンライン決済システムで購入体験を向上
オンライン決済システムとは、インターネット上で決済を完結・管理できるシステムやツールのことです。ECサイトをはじめ、実店舗での事前決済などにも活用でき、今やさまざまな業界で導入されています。
アパレル業界でも、決済ツールを導入することで、簡単かつスムーズな購入体験を提供できます。ワンクリックでの支払いや自動入力機能など、煩雑な手続きを省き、ユーザーの利便性を高めれば、「またこのお店で購入したい」というリピーターの獲得にもつながるでしょう。
オンライン決済システムと一口にいっても、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード、銀行振込、PayPalなど、さまざまな支払い方法を提供するツールやサービスが存在します。近年は、PayPayやQUICPayといった各種電子マネーの普及が急速に進んでいるため、オンライン決済システムの導入は、キャッシュレス決済を望む消費者に対しても、効果的なアプローチといえるでしょう。
アパレル業界の集客方法-オフライン編-

特に実店舗を構えるアパレル会社ほど、オフライン集客が有効な場合があります。オンラインだけではリーチできない層を呼び込むために、代表的なオフライン集客の方法と、それぞれの特徴やポイントについてしっかりと押さえておきましょう。
オフライン集客の強みは、顧客と直接対面してコミュニケーションをとれることです。商品を実際に手に取ってもらったり、試着してもらったりすることで、オンラインでは伝わりにくい質感や着心地を体感してもらえます。販売員との会話を通じて信頼関係を築ければ、長期的なファン獲得にもつながります。
店頭POPで通行人の足を止める
アパレル店舗では、商品説明用のカードやプライスカード、ポスター、タペストリー、卓上スタンド、展示パネル、のぼりなどのPOP広告で集客するのも重要です。
店頭POPでは商品の特徴やセール情報、イベントやキャンペーンの告知など、さまざまな情報を、通行人や店内の顧客へ向けてアピール可能です。通行人や顧客の目に留まりやすい、鮮やかなデザインや興味を引くキャッチコピーを使用することで、ダイレクトに来店・購入へとつなげることができます。
POPを活用したアパレル集客の主なポイントは、目を引くデザインとレイアウトを採用しわかりやすい情報を適切に配置すること、短いキャッチコピーを活用し顧客の関心を引くメッセージを伝えること、商品の魅力を引き立たせるような写真やイラストを使用すること、イベントやキャンペーンの告知を明確に行うこと、店内や店舗の外側、商品陳列エリアなど効果的な場所にPOPを掲示することです。
イベント開催で顧客との接点を創る
顧客との直接的な接点を作れるイベントの開催も、アパレル業界では効果的な集客方法といえます。セールイベント、ノベルティ配布、展示会といったイベントは、新規顧客へのアプローチになると同時に、再来店を促す施策にもなり得ます。
イベントに参加した顧客がSNSで情報をシェアしたり、口コミでイベントの良い体験を語ったりすれば、さらなる集客効果を期待できるでしょう。
アパレル業界でイベント集客に取り組む際に大切にしたい主なポイントは、イベントのテーマを明確にし顧客の関心に合わせた内容を提供すること、限定商品販売・スタイリングアドバイス・ワークショップなど顧客が特別な体験を楽しめる要素を盛り込むこと、スタッフやブランド担当者との対話やフィードバックの場を設け顧客とのコミュニケーションを重視すること。
SNSやメールマガジン、ポスターなど効果的な告知手段を活用しイベントを広く宣伝すること、イベント参加者への記念品や割引クーポンなどの特典を提供し顧客の参加意欲を高めることです。
コラボイベント・コラボ商品で新規顧客を獲得
アパレルブランドはコラボイベントと相性の良いビジネスといえます。他のブランドやクリエイターと協力することで、新たな顧客を獲得し、自社の存在を知らせるチャンスとなり、近年では、アニメキャラクターなどとコラボするアパレルブランドも増えてきています。
コラボイベント・コラボ商品の主なメリットは、ブランド拡張と知名度向上、個性や魅力の強化、ターゲット層の拡大、プロモーション効果の増強です。他のブランドやアニメ作品などとコラボすることで、今までリーチできていなかった人々を集客につなげることができるかもしれません。予算に応じて検討してみても良いでしょう。
DMで特別感のあるアプローチを実現
DM(ダイレクトメール)は、企業や組織が顧客や潜在顧客に直接郵送する宣伝や集客の手法として、アパレル業界でも広く取り入れられています。一般的には、封書やはがきの形式で送られ、特定のターゲットに向けた新商品の案内、割引クーポンの提供、イベントの告知などのメッセージや情報を伝える目的で使用されることが多いでしょう。
DMは、物理的な媒体かつ個人宛だからこその特別感を演出できるため、オンライン手法とは異なる角度からアプローチできる魅力があります。あえて”手紙”の形式を取り入れ、顧客の誕生日のお祝い特典など、購入後のアフターフォローを行うことで、競合と差別化を図ることも可能です。
DM(ダイレクトメール)を利用した集客の主なポイントは、的確なターゲット選定、魅力的なデザインとコピー、個別化とカスタマイズ、クリアなコール・トゥ・アクション、追跡と分析です。ターゲットを絞り、魅力的なメッセージを送り、具体的なアクションを促し、効果を評価して改善する。この流れをきちんと理解しDMで集客力を高めましょう。
電話で休眠顧客を呼び戻す
古典的ですがアパレル業界にてあまり導入されていない印象なのが、電話を使った集客です。基本的には、リピート顧客を獲得するための手法として有効といえるでしょう。顧客のニーズや要望を直接把握し、カスタマイズされたアプローチを提供できます。
特に最終来店から日にちの経っている休眠顧客に対して、再来店を促すための一つの策となります。ただし、いきなり新商品の情報やセール情報を伝えるのでは、「営業電話」と捉えられて迷惑がられてしまう可能性があります。事前にトークスクリプトを準備するなどして、「対話」を意識することが重要です。
きちんと顧客のニーズを引き出し、その要望に応える策を提案する。その対話のなかで、お店と顧客の良好な関係性が築かれていきます。競合があまり取り入れていないからこそ、検討しても良い集客方法の一つといえるかもしれません。
アパレル業界で効果的な面白い企画アイディア

集客施策を一通り押さえたところで、次は「どんな企画を実施すれば顧客の心を掴めるのか」という具体的なアイディアを紹介します。単なる販促活動ではなく、顧客が「参加したい」「体験したい」と思える面白い企画こそが、記憶に残り、リピートや口コミにつながります。
ターゲット層によって刺さる企画は異なるため、自社の顧客像に合わせて選ぶことが大切です。若年層向けにはSNS拡散を狙った体験型イベント、ファミリー層向けには親子で楽しめる参加型企画、全世代に向けてはトレンドや季節感を取り入れた企画が効果的です。
若年層向け|SNS連動型の体験イベント
若年層、特に10代~20代をターゲットにする場合は、SNSでの拡散力を最大限に活かした体験型イベントが効果的です。この世代は「映える」体験を重視し、自分の体験を発信することに積極的な傾向があります。
企画を成功させるポイントは、参加者が自然とSNSでシェアしたくなる仕掛けを用意することです。単に商品を紹介するのではなく、「ここでしか体験できない」「友達に自慢したくなる」要素を盛り込むことで、参加者自身が広告塔となり、さらなる集客につながります。
インフルエンサーコラボイベント
SNS(インスタグラム・X(旧Twitter)・Facebook・YouTubeなど)で人気のあるインフルエンサーを招いたトークショーや撮影会などのイベントは、若年層の集客に非常に効果的です。
既にある程度SNSでのフォロワーが獲得できているインフルエンサーに、告知と集客の協力をお願いすることで、効率よくターゲット層にリーチできます。イベントの狙いは、ファンとの交流会(Q&Aで交流ができる時間をもうけましょう)、商品の紹介(実際に商品を使ってもらった上での率直感想)、写真撮影(インフルエンサーと商品を一緒に撮影ができるように)、SNS拡散(ハッシュタグは指定した方が望ましい)、商品・企業アカウントへのフォロー(フォロワーに定期的PR配信をする)です。
インフルエンサーを招いたイベントは、来場者によるSNS上での「口コミ」による拡散が期待できます。もちろんSNSに限らず、友人同士やファンの中で自然と話題になるため、高い集客力が特長です。
オリジナルアイテム製作ワークショップ
アパレル業界の集客イベントでは、オリジナルアイテムの制作体験を企画するのも効果的です。ポーチ、ハンドミラー、スマホケース、エコバッグなどは日常使いしやすい便利なアイテムであると同時に、周りの人と被らないオリジナルのアイテムを作れることが魅力的です。
オリジナルアイテムの制作体験は、大規模なものよりも、その場で簡単に取り組める手軽なイベントが好ましいでしょう。たとえばポーチの制作体験であれば、ポーチのデザイン(大きさや形状)やカラーを選択してもらい、ファスナーチャームをカスタマイズして作成し、シールやデコレーションパーツを添付するという流れです。その際、見本やお手本となる完成品は数点準備すると、来場者が完成品を想像しやすく親切です。
フォトブース設置で拡散を狙う
フォトブース(フォトスポット)はイベントへの来場者が記念撮影をする為のスペースです。ブランドや商品自体の魅力が引き出された、写真映えに効果的な空間を用意しておくと、ターゲット層の中でも話題になりやすく、高い集客効果が見込めます。
フォトブース(フォトスポット)の設置によって期待できる効果は、ファンをさらにファンにできること、SNSでの拡散が狙えること(背景に商品ロゴやイベント名を入れる)、商品やブランドを知らないお客様に認知してもらえること、お客様の思い出に残ること、一緒に商品を購入してもらえることです。
購買工夫案としては、自社ECサイトやその場で商品を購入ができるという導線設計を予め想定し作成するが大切です。写真撮影を通して購買意欲も高まる、ブランドの魅力を存分に活かしたフォトブースを設計しましょう。
ファミリー層向け|親子で楽しめる企画
ファミリー層をターゲットとしたい場合には、「親子で楽しめる」や「子供向けワークショップ」が効果的です。子供に行きたいと思ってもらえる集客イベントを開催することによって、同時に親も一緒に集客をする事ができます。
親御さんは、子供たちの創造力や好奇心を育てたい、親子で一緒に楽しめる時間を作りたい、新しい体験を通して子供たちの成長を促したい、子供たちの個性を伸ばしたい、子供たちの五感を刺激するような活動を探しているという希望を持っています。親子で楽しめる企画は、こうした親御さんのニーズに応えることができます。
親子ファッションショー
親子で楽しめるファッションショーは、子供から大人まで楽しめるアパレルイベントとして人気があります。自社ブランドの商品を貸出しても良いですし、服の持ち込みでの開催も可能です。子供たちは憧れのモデル、ユーチューバー、インフルエンサー、タレント、キャラクターになりきってランウェイを歩き、親御さんは我が子の晴れ舞台を写真撮影やビデオ撮影で楽しめます。
また、親子でファッションショーに参加することで、家族の絆を深めることもできるので、思い出作りとして参加してもらうのも良いですよ。ファッションショーは、普段の生活ではめったにできない経験です。特別な思い出を残せる集客イベントの開催は、親子にとってかけがえのない機会を提供することになります。
あくまで子供目線で楽しめるようにというのが重要なので、「自社ブランドの商品のみ着用可能」というように、参加のハードルを上げすぎないようにすることをおすすめします。
子ども向けデザイン体験教室
子供向けのワークショップとして、オリジナルデザインTシャツ作り、アクセサリー作り、エコバッグ作りなどが挙げられます。Tシャツデザインワークショップは、子供たちが自由にTシャツに絵を描いたり、ステンシル(型染)を使ってデザインしたりできるワークショップです。
普段はなかなか服に絵を描いたりする機会がないので、子供たちにとって珍しい経験になること間違いありません。アクセサリー作りワークショップは、子供たちがビーズやワイヤー、天然石などの素材を使って、オリジナルのアクセサリーを作れるワークショップです。キラキラとかわいいアクセサリーパーツは、子供の好奇心を引き出します。それと同時に、手先の器用さを向上したり、ものづくりの楽しさを知る経験にもなります。
エコバッグ作りワークショップは、子供たちが廃材や布を使って、オリジナルのエコバッグを作れるワークショップです。近年、レジ袋が有料となっている事もあり、エコバックの需要自体が高まってきています。子供たちの環境意識を高め、ものづくりの楽しさを通してものを大切に使うことを学べるため、今の時代に合った集客イベントとして楽しんでいただけます。
全世代対応|季節・トレンド連動企画
特定の世代に限定せず、幅広い層にアプローチしたい場合は、季節感やトレンドを取り入れた企画が有効です。誰もが関心を持ちやすいテーマを設定することで、来店のきっかけを作りやすくなります。
季節やトレンドを意識した企画は、タイムリー感があり、顧客に「今行かなければ」という気持ちを起こさせます。定期的に開催することで、「この時期はあのお店でイベントがある」という認識を持ってもらい、リピート来店につなげることも可能です。
限定コレクション先行販売会
新作コレクションやシーズン限定アイテムを、一般販売よりも先に購入できる機会を設けることで、顧客に特別感を提供できます。先行販売会は、既存顧客への優遇策としても有効ですし、新規顧客に対しては「限定」という言葉の持つ魅力で興味を引くことができます。会員限定や招待制にすることで、参加者は「選ばれた」という特別な体験を得られます。
また、先行販売会での購入者には特典を付けるなど、さらなる付加価値を提供することで、満足度を高めることができるでしょう。SNSでの事前告知や、当日の様子をライブ配信することで、参加できなかった人にも情報を届け、次回の参加意欲を高める工夫も効果的です。
スタイリング相談会・パーソナルカラー診断
専門知識を持つスタイリストによるスタイリング相談会や、パーソナルカラー診断といったサービスを提供することで、顧客に「自分に似合う服」を提案できます。こうした企画は、商品の押し売りではなく、顧客一人ひとりに寄り添ったサービスという印象を与えるため、信頼関係の構築に役立ちます。
パーソナルカラー診断は近年注目を集めており、自分に似合う色を知りたいというニーズは高まっています。診断結果に基づいて店内の商品を提案することで、自然な流れで購買につなげることができます。予約制にすることで、一人ひとりに丁寧に対応でき、顧客満足度を高めることができるでしょう。イベント後も、診断結果を記録しておくことで、次回来店時にパーソナライズされた提案がしやすくなります。
サステナブルファッション交換会
環境意識の高まりを受けて、サステナブルファッション交換会も注目されています。顧客が着なくなった服を持ち寄り、お互いに交換し合うイベントです。単なる古着交換ではなく、「まだ着られる服を大切にする」というメッセージを発信することで、ブランドイメージの向上にもつながります。
交換会では、自社ブランドの商品だけでなく、他ブランドの服も対象にすることで、参加のハードルを下げられます。会場では、自社の新作やサステナブル素材を使った商品を展示し、興味を持ってもらうきっかけを作ることも可能です。イベントを通じて、「環境に配慮したファッションを提案するブランド」としての認知を広げられるでしょう。
客数を増やすための販促アイディア実例集

面白い企画だけでなく、日常的に実施できる販促施策も集客には欠かせません。新規顧客を獲得する施策と、リピーターを育成する施策を明確に分けて取り組むことで、効率的に客数を増やすことができます。
販促施策は、一度実施して終わりではなく、効果を測定しながら改善を続けることが重要です。どの施策がどれだけの成果を生んだのかをデータで把握し、予算配分や実施タイミングを最適化していきましょう。
新規顧客獲得のための施策
新規顧客を獲得するためには、まず「来店・購入するきっかけ」を作ることが大切です。初めての顧客にとって、知らないブランドや店舗への来店はハードルが高いものです。
そのハードルを下げるために、お得感や限定感を打ち出した施策が有効です。新規顧客獲得施策で意識すべきは、「最初の一歩を踏み出しやすくすること」です。一度来店・購入してもらえれば、商品の品質や接客の良さを体験してもらえるため、リピーターへと育てるチャンスが生まれます。
初回限定クーポン・ウェルカム特典
初回来店や初回購入の顧客に対して、割引クーポンやノベルティをプレゼントする施策は、新規顧客獲得の定番です。「初回限定」という言葉は、まだ利用したことがない顧客に対して「今がチャンス」という意識を持たせます。
クーポンの割引率は、利益を圧迫しすぎない範囲で設定することが重要です。10~20%程度の割引であれば、顧客にとってもお得感がありつつ、店舗側の負担も抑えられます。ノベルティを選ぶ場合は、ブランドロゴが入ったエコバッグやポーチなど、日常的に使えるアイテムが喜ばれます。初回特典を受け取った顧客には、次回来店時に使えるクーポンも同時に渡すことで、リピート来店につなげる工夫も効果的です。
友達紹介キャンペーン
既存顧客に友達を紹介してもらうことで、新規顧客を獲得する施策です。紹介した顧客と紹介された顧客の両方に特典を用意することで、紹介のモチベーションを高められます。友達紹介キャンペーンの強みは、「信頼できる人からの紹介」という点です。
広告よりも、友人や知人からの口コミの方が購買意欲に強く影響します。紹介された顧客は、紹介者の評価を信頼して来店するため、初回からブランドに対して好意的な印象を持ちやすいです。特典の内容は、割引クーポンやポイント付与、次回使える特典券などが一般的です。紹介の手段は、紹介カードを渡す、SNSでシェアしてもらう、専用のQRコードを読み込んでもらうなど、顧客が利用しやすい方法を用意しましょう。
SNSフォロワー限定セール
自社のSNSアカウントをフォローしている人限定のセールを開催することで、フォロワー数の増加と新規顧客獲得の両方を狙えます。SNSフォロワー限定セールは、「フォローすればお得な情報が手に入る」という認識を広め、継続的な情報発信の受け手を増やすことにもつながります。
セールの告知はSNS上で行い、来店時や購入時にフォロー画面を見せてもらうことで特典を提供します。フォロワー限定セールを定期的に実施することで、「このブランドはフォローしておくとお得」という印象を定着させられます。また、セール情報をシェアしてもらうことで、フォロワーの友人にもブランドを知ってもらうきっかけが生まれます。
リピーター育成のための施策
新規顧客を獲得した後は、リピーターに育てることが重要です。リピーターは、新規顧客よりも購入単価が高く、継続的な売上に貢献してくれます。
リピーター育成のポイントは、「また来たい」「このブランドが好き」と思ってもらえる関係性を築くことです。リピーター育成施策では、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされた体験を提供することが効果的です。顧客の購買履歴や嗜好を把握し、最適なタイミングで最適な情報を届けることで、顧客ロイヤルティを高められます。
ポイントカード・会員ランク制度
ポイントカードや会員ランク制度は、リピーター育成の定番施策です。購入金額に応じてポイントが貯まり、次回以降の買い物で使えるという仕組みは、顧客に「また来よう」という動機を与えます。
会員ランク制度を導入する場合は、購入金額や来店回数に応じてランクが上がり、上位ランクほど特典が充実する設計にします。たとえば、シルバー・ゴールド・プラチナといったランク分けをし、ランクごとに割引率やポイント還元率を変える、先行販売会への招待、誕生日特典の内容をグレードアップするなどの差別化を図ります。
ランクアップの条件を明確にすることで、顧客は「次のランクを目指そう」という目標を持ちやすくなり、購買意欲が高まります。
バースデー特典・記念日サービス
顧客の誕生日や、初回購入日などの記念日に特典を提供することで、「自分のことを覚えてくれている」という特別感を演出できます。バースデー特典は、顧客との関係性を深める有効な手段です。
特典の内容は、割引クーポン、ポイント付与、ノベルティプレゼントなど様々です。重要なのは、「あなただけの特別な日をお祝いしたい」というメッセージを伝えることです。誕生月の1ヶ月前にDMやメールで告知し、誕生月中に来店を促すことで、リピート来店のきっかけを作れます。記念日サービスを提供する際は、顧客情報をしっかり管理し、適切なタイミングで連絡できる体制を整えることが大切です。
購入履歴に基づくパーソナライズ提案
顧客の過去の購入履歴を分析し、その人の好みに合った商品を提案することで、「自分のことをわかってくれている」という信頼感を与えられます。パーソナライズ提案は、顧客満足度を高め、リピート率を向上させる効果的な施策です。
たとえば、以前にブルー系の服を購入した顧客には、新作のブルー系アイテムを紹介する、春物を購入した顧客には、秋物の入荷時期に案内を送るなど、タイミングと内容を最適化します。提案の方法は、メールマガジン、LINE、店頭での声かけなど、顧客が受け取りやすいチャネルを選びましょう。CRM(顧客関係管理)ツールを活用すれば、効率的にパーソナライズ提案を実施できます。
季節別の販促カレンダー
アパレル業界は季節性が強いビジネスです。季節ごとのイベントやトレンドに合わせた販促施策を計画的に実施することで、年間を通じて安定した集客が可能になります。季節別の販促カレンダーを作成する際は、自社の商品ラインナップや顧客層に合わせて、どの時期にどんな施策を打つのかを事前に計画します。
たとえば、春(3~5月)は新生活応援キャンペーン、夏(6~8月)はクールビズ・リゾートウェアフェア、秋(9~11月)は秋冬コレクション先行販売会、冬(12~2月)は年末年始セール・バレンタインフェアといった具合です。季節ごとの販促カレンダーを作成しておくことで、スタッフ全員が年間の動きを把握でき、準備をスムーズに進められます。
アパレル集客でよくある失敗と対策

集客施策を実施しても、思うような成果が出ないことがあります。多くの場合、失敗には共通のパターンが存在します。よくある失敗を事前に知っておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。
失敗から学ぶことは、成功への近道です。ここでは、アパレル集客でよくある失敗パターンと、その対策を紹介します。自社の状況と照らし合わせながら、改善すべき点がないかチェックしてみてください。
SNS運用で陥りがちな失敗パターン
SNS集客は低コストで始められる一方、成果が出るまでに時間がかかるため、途中で諦めてしまうケースが多いです。よくある失敗は、投稿が不定期になる、商品の宣伝ばかりで顧客とのコミュニケーションがない、フォロワー数ばかり気にして中身が薄い、といったパターンです。
SNS運用で成果を出すには、継続性とエンゲージメントが重要です。週に2~3回など、無理のない頻度で定期的に投稿し、フォロワーからのコメントには必ず返信するようにしましょう。商品紹介だけでなく、スタッフの日常やコーディネート提案、ファッションに関する豆知識など、フォロワーが楽しめるコンテンツを混ぜることで、親近感を持ってもらえます。
また、ハッシュタグを効果的に活用し、ターゲット層が検索しそうなキーワードを盛り込むことも忘れずに。
イベント企画で集客できない原因
イベントを企画したものの、参加者が集まらないという失敗もよくあります。主な原因は、告知不足、ターゲットに刺さらない企画内容、参加のハードルが高い、といった点です。
イベント集客を成功させるには、まず十分な告知期間を設けることが大切です。最低でも1ヶ月前から告知を開始し、SNS、メールマガジン、店頭POP、DMなど複数のチャネルで情報を発信しましょう。企画内容は、自社の顧客層が本当に求めているものかを見極めることが重要です。
顧客アンケートやSNSでの反応を参考に、ニーズに合った企画を選びます。参加のハードルを下げるために、事前予約不要、参加費無料、飛び入り参加OKといった気軽さを打ち出すことも効果的です。
オンライン・オフラインの連携不足
ECサイトと実店舗を両方運営しているにもかかわらず、それぞれが独立して動いてしまい、シナジーが生まれないケースがあります。たとえば、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取れない、店舗の在庫情報がオンラインで確認できない、ポイントカードが店舗とオンラインで別々、といった状況です。
オンライン・オフラインの連携を強化するには、顧客情報や在庫情報を一元管理できるシステムを導入することが理想です。予算が限られる場合でも、ECサイトで「店舗取り置きサービス」を提供する、店舗で「オンライン限定商品」を試着できるようにする、オンラインとオフラインで共通のポイントカードを使えるようにするなど、できる範囲で連携を進めましょう。
OMO戦略を意識し、顧客がどのチャネルを利用しても一貫した体験を提供できるようにすることが、顧客満足度の向上につながります。
ターゲット層の設定ミス
集客施策を実施する際、ターゲット層の設定を誤ると、どれだけ努力しても成果が出ません。よくある失敗は、ターゲットが曖昧すぎる、自社商品とターゲットのニーズがずれている、ターゲットに届くチャネルを選んでいない、といったパターンです。
ターゲット層を正しく設定するには、まず自社の商品やブランドが「誰のどんな課題を解決するのか」を明確にすることが大切です。年齢、性別、職業、ライフスタイル、価値観などを具体的に設定し、ペルソナ(架空の顧客像)を作成しましょう。ペルソナが明確になれば、その人が普段利用しているSNSや、興味を持ちそうなイベント、響くメッセージが見えてきます。
また、実際の顧客データを分析し、どんな人が購入しているのかを把握することも重要です。想定していたターゲットと実際の顧客にずれがあれば、戦略を見直す必要があります。
中小アパレル企業が優先すべき集客施策

ここまで様々な集客方法を紹介してきましたが、中小企業のマーケターにとって「何から始めればいいのか」「限られた予算でどう優先順位をつけるべきか」は大きな悩みです。すべての施策を一度に実施するのは現実的ではありません。
このセクションでは、予算規模別のおすすめ施策と、優先順位の付け方、効果測定の方法について解説します。自社の状況に合わせて、まず取り組むべき施策を見極めましょう。
予算別おすすめ施策マップ
集客施策には、それぞれコストがかかります。予算規模によって選ぶべき施策は異なるため、自社の予算に合わせた現実的なプランを立てることが重要です。
予算が少ない場合でも、工夫次第で効果的な集客は可能です。逆に、予算が潤沢にあっても、戦略なく施策を打っても成果は出ません。予算規模ごとに、どんな施策の組み合わせが効果的かを見ていきましょう。
低予算(月5万円以内)で始める施策
限られた予算で最大限の効果を出すには、まず無料または低コストで実施できる施策に注力します。おすすめは、SNS運用(Instagram・X・LINE公式アカウント)、Googleビジネスプロフィール登録とMEO対策、店頭POPの工夫、既存顧客へのメールマガジン配信です。
SNS運用は基本無料で始められ、継続的に情報発信することでフォロワーを増やし、認知度を高められます。投稿内容は、新商品紹介、コーディネート提案、スタッフの日常、お客様の声など、バラエティに富んだ内容にしましょう。
Googleビジネスプロフィールも無料で登録でき、近隣の顧客に店舗情報を届けられます。店頭POPは、印刷費のみで作成でき、通行人の足を止める効果があります。既存顧客へのメールマガジンは、リピーター育成に効果的で、コストをかけずに実施できます。
中予算(月10〜30万円)の効果的な組み合わせ
月10〜30万円の予算があれば、低予算施策に加えて、Web広告(SNS広告・Google広告)、ライブコマースの実施、イベント開催(小規模ワークショップ・セール)、DM送付(既存顧客向け)などに取り組めます。
Web広告は、ターゲットを細かく設定して効率的にリーチできるため、費用対効果が高いです。Instagram広告やFacebook広告は、画像や動画で商品の魅力を伝えやすく、アパレル業界との相性が良いです。ライブコマースは、スマートフォンとSNSアカウントがあれば実施でき、リアルタイムで顧客とコミュニケーションをとりながら商品を紹介できます。
小規模なイベントやワークショップは、会場費や材料費がかかりますが、顧客との直接的な接点を作れるため、ロイヤルティ向上に効果的です。
高予算(月50万円以上)の統合戦略
月50万円以上の予算があれば、オンライン・オフラインを統合した本格的なマーケティング戦略を展開できます。おすすめは、自社ECサイトの構築・リニューアル、ショップアプリの開発、インフルエンサーマーケティング、大規模イベントの開催、ファッションメディアへの掲載、CRMシステムの導入です。
自社ECサイトやショップアプリは初期投資が大きいですが、長期的に見れば顧客データを蓄積でき、パーソナライズ施策を実施しやすくなります。インフルエンサーマーケティングは、影響力のある人物に商品を紹介してもらうことで、短期間で認知度を高められます。
大規模イベントは、ブランドの世界観を体験してもらう場として効果的です。ファッションメディアへの掲載は、業界内での信頼性を高め、ブランドイメージの向上につながります。CRMシステムを導入すれば、顧客情報を一元管理し、効果的なリピーター施策を展開できます。
施策の優先順位の付け方
限られたリソースで最大限の成果を出すには、施策の優先順位を正しく付けることが重要です。優先順位を決める際の基準は、効果の即効性、費用対効果、実施の難易度、自社の強みとの相性です。
まず、短期的に成果が出やすい施策と、長期的に効果が出る施策を分けて考えましょう。短期的な成果を求めるなら、Web広告やセールイベントが有効です。長期的なブランディングを目指すなら、SNS運用やコンテンツマーケティングが適しています。次に、費用対効果を見極めます。投資額に対してどれだけのリターンが期待できるかを試算し、効率の良い施策を優先します。
実施の難易度も考慮すべき点です。社内のリソースやスキルで実施可能かどうかを判断し、外部に委託する場合はその費用も含めて検討します。最後に、自社の強みとの相性を考えます。たとえば、店舗スタッフの接客力が高いなら、店頭イベントを優先する、デザイン力があるなら、SNSでビジュアルコンテンツを発信するなど、強みを活かせる施策を選びましょう。
効果測定で改善サイクルを回す
集客施策は、実施して終わりではありません。効果を測定し、改善を続けることで、徐々に成果を高めていくことができます。効果測定の基本は、目標設定、データ収集、分析、改善アクションです。
まず、各施策に対して具体的な目標を設定します。たとえば、SNS広告なら「クリック率3%以上」「コンバージョン率1%以上」、イベントなら「参加者50名以上」「参加者の購入率30%以上」といった具合です。次に、データを収集します。Web施策であれば、Google AnalyticsやSNSのインサイト機能を活用し、オフライン施策であれば、アンケートや売上データから効果を把握します。
収集したデータを分析し、目標達成できたか、どの部分に課題があるかを明らかにします。最後に、分析結果に基づいて改善アクションを実行します。たとえば、広告のクリック率が低ければクリエイティブを変更する、イベントの参加者が少なければ告知方法を見直すなど、具体的な改善策を講じます。このPDCAサイクルを回し続けることで、集客力は確実に向上していきます。
アパレル集客の成功事例

実際にアパレル業界で集客を成功させている企業の事例を紹介します。それぞれの企業がどのような戦略を取り、どんな成果を上げたのかを学ぶことで、自社の施策に活かせるヒントが見つかるはずです。
成功事例から学ぶべきは、施策の表面的な模倣ではなく、「なぜその施策が成功したのか」という本質です。顧客視点に立った考え方や、時代に合わせた柔軟な対応が、成功の鍵となっています。
NANO universe(ナノ・ユニバース)

▶出典:NANO universe
株式会社TSIが運営するNANO universe(ナノ・ユニバース)は、ECサイトの立ち上げやOMO戦略に取り組むことで集客を成功させています。
店舗の売り上げが減少したことを機に立ち上げたECサイトは、百貨店での売上を優に超えたといいます。また、ECサイト上で気になるアイテムがあれば、店舗と日時、販売員を指定して来店予約を行えるという、オンラインとオフラインの融合も実現しています。徹底した顧客視点での取り組みが特徴的です。
ECサイトやOMO戦略の有効性だけでなく、「一貫したユーザーファーストな姿勢」「上質な顧客体験を追求することの大切さ」といった集客を成功させるために必要なマインドも教えてくれる事例といえます。
DROBE(ドローブ)

▶出典:DROBE
株式会社DROBE(ドローブ)は、AIテクノロジーを活用したパーソナルスタイリングサービス「DROBE」を展開し集客を成功させています。
独自開発のAIによるリストアップと実際のスタイリストによる選定により、個々のユーザーに合う商品を自宅にお届けするサービスです。ユーザーは、気に入ったものだけ購入でき、それ以外は返品可能というサービスです。AIという最先端技術を活用していながらも、大切にしているのは「人と人とのつながり」です。
自宅にいながらプロスタイリストが自分だけのために服を選んでくれるという形式は、もはや”実店舗とECサイトのいいとこどり”といえるかもしれません。最新技術やオンラインでの集客方法はあくまでサポートとして位置づけ、一番は「人と人とのつながり」を重視する。これは、顧客ロイヤルティを高め、集客力をアップさせるためのヒントとなる考え方なのではないでしょうか。
SHEIN(シーイン)

▶出典:SHEIN
中華人民共和国のグローバルファストファッション企業であるSHEIN(シーイン)は、超低価格路線のD2Cブランドとして世界的な急成長をみせています。店舗を持たず、基本的にECサイトのみで事業展開しているのも特徴です。
SHEINは、メインとするターゲットを低コスト志向・社会問題への意識が低い層のみに絞った戦略や、新商品を毎週2回追加するという高速の商品サイクルといった点で、競合他社と差別化を図っていることがわかります。また、集客方法として「SNS」や「ライブコマース」などのオンライン集客を取り入れているのも特徴的です。SNS集客ではいわゆるインフルエンサーは起用せず、消費者として正直に商品のレビューを行うユーザーを起用して商品をPRしています。
逆にライブコマースでは、海外アーティストとコラボするなどして、大量のユーザー獲得につなげています。ただ単にオンライン集客方法を取り入れるだけではなく、こうした型にはまらない戦略、柔軟性に富んだ施策を通して、集客力を高めるのも一つの手だといえるでしょう。
まとめ|アパレル集客は戦略的な組み合わせが成功の鍵

アパレル業界の集客では、オンラインとオフラインのバランスが重要です。
オンラインでは、ECサイトやSNS、Googleマップなどを活用し、地理的な制約を受けずに幅広い層へアプローチできます。魅力的なコンテンツや商品情報を発信し、多くの人々にブランドを知ってもらう機会を創出しましょう。一方、オフラインでは店頭POPやイベントを通じて、店舗近隣の消費者へ効率よくアプローチできます。直接顧客と対話し、商品を試着したり触れたりする体験を提供することで、信頼関係を築き、リピート顧客を増やすことができます。
オンライン集客とオフライン集客は相互補完的な存在です。二つのバランスをとることで、消費者はブランドの魅力をより深く理解し、購買意欲を高めます。競争が激化する市場で差別化を図るためにも、顧客に最高の体験を提供し、継続的な顧客関係を築くために、オンラインとオフラインの両方を有効に活用しましょう。
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