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フロー型とストック型の違いとは?SNSは今どちらに進んでいる?

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企業のビジネスモデルやサービス形態の変化とともに、ビジネスの「今」を捉えるための言葉もアップデートされています。たとえば現在では、「フロー型」と「ストック型」という分類によって、多様なビジネスモデルを対比的に捉える場面が見られるようになりました。

とりわけ「フロー型SNS」と「ストック型SNS」という分類は、さまざまなSNSを運用する際の方針を定め、マーケティングに活かしていくための観点として有効です。この記事では、「フロー型」「ストック型」という分類の概要をふまえ、フロー型SNS・ストック型SNSの特徴や代表例などを解説していきます。

「フロー型」と「ストック型」とは

分析

「フロー(flow)」と「ストック(stock)」は、経済学において資金などの動きや量を表す用語です。フローは「流れ」を意味し、モノが一定期間に動いた量を表しており、対するストックは「蓄え」を意味し、ある時点におけるモノの蓄積量を表します。

たとえば家計においては、フローは「月々の収入と支出」などにあたり、ストックは「現時点での貯金残高」などの資産量を指します。さらに、現在ではこのような用法から転じて、「一定期間における動き」と「ある時点での総量」を対比的に捉えるために、「フロー型」および「ストック型」という言葉が用いられるようになりました。

両者が頻用される場面としては、「サービスやビジネスの形態」を対比的に分類するケースが挙げられます。たとえば買い切り型のサービスによって都度利益をあげるモデルを「フロー型ビジネス」とし、サブスクリプションなどによって固定客を積み上げていくモデルを「ストック型ビジネス」と呼ぶ例が代表的でしょう。

フロー型SNSとストック型SNSの違い

SNS

上述のフロー型・ストック型という分類は、SNSの特徴を捉えるための観点としても取り入れられています。そのプラットフォームにおいて「情報やデータがどの程度の速さで流れていくか」という基準から、SNSの特性を区分するために用いられるのです。

一般に、タイムラインなどによって現時点での情報を発信・共有することに適したプラットフォームを「フロー型SNS」とし、検索などを通じて蓄積した情報を参照することに適したものを「ストック型SNS」と呼びます。

フロー型SNSにおいては、X(旧Twitter)に代表されるように、興味のあるユーザーをフォローすることで、その投稿をタイムライン上に表示する形式が多く取り入れられています。リアルタイムに更新されていく情報を通じて、新しい話題についてのコミュニケーションを活性化する環境が用意されているのです。

一方のストック型SNSは、YouTube(※1)などに代表されるように、コンテンツをアーカイブとして整理することに適したプラットフォームを備えています。情報を保存し、必要なときに参照して役立てるような使い方をされる傾向にあります。

(※1)YouTubeをSNSに含めるかどうかについては多くの意見があり、ユーザー間のダイレクトなコミュニケーションよりもコンテンツのアップロードと視聴に重点が置かれている点などから、SNSに含めない例もあります。

フロー型SNSの強み

フロー型SNSは、「今どんなことが起きているか」「人々の間で何が話題になっているか」に焦点を合わせたプラットフォームを構築しており、トレンド情報などによって「リアルタイムの情報交換」が促進される傾向にあります。

その強みが顕著に表れるのは、「バズる」という言葉に象徴されるように、ある投稿が話題を呼び、爆発的に情報が拡散される場面でしょう。時宜にかなった情報や、話題の事柄に対して共感を集めるコメントなどが瞬く間に広がっていく瞬発性がフロー型SNSの特徴です。

こうした特性から、フロー型SNSの運用においては「情報の鮮度」が重要になります。同じ内容を投稿したとしても、タイミングによって広がり方はまったく異なるため、情報の流れを敏感に察知することが求められるのです。

さらにフロー型SNSにおいては、「共感」や「連帯」など集団的な感情にコミットする投稿が反響を呼びやすい傾向にあります。ポジティブなニュースを共有したり、見栄えのする写真や映像を楽しんだりすることはもちろん、世の理不尽について問題点が伝わりやすいかたちで反発や怒りを表明したりと、多くの人とさまざまな感情を分かちあうことが大きな意味をもつのです。

ストック型SNSの強み

ストック型SNSは、特定のジャンルやカテゴリについて、「知識を蓄積し、いつでも参照できる状態」をつくることに適したプラットフォームです。何かのノウハウを学んだり、日常に役立つ知識を身につけたりと、「問題解決」の手段を探すユーザーとの親和性が高いといえます。

先のフロー型SNSにおいては、発信した情報の鮮度が落ちるにつれて、参照される頻度も減っていくことが一般的です。一方、ストック型SNSに蓄積したコンテンツは、検索などを通じて継続的に役立てられる傾向にあります。

このような特性から、ストック型SNSを運用する際には「普遍的なニーズ」を見定め、それに応じたコンテンツを蓄積していくことが重要になるでしょう。ある課題を抱えたユーザーが、どのような情報を求めるかを検討するとともに、「ターゲットが他にどんな情報を知りたがるか」という視点からコンテンツを充実させていくことが求められます。

はじめは多くのインプレッションを獲得できなくても、ユーザーにとって有用なコンテンツを積み重ねていくことで、SEOの面からの効果も期待できるでしょう。検索を通じて自身のアカウントにたどり着くユーザーが増加すれば、自身の発信する他のコンテンツを回遊するケースも増えていくと考えられます。

このように、ストック型SNSは瞬発的なインプレッションを目的とするのではなく、長期的にユーザーからの信頼を醸成し、固定のファンを獲得していくことに適しているといえます。

フロー型SNS・ストック型SNSの代表例

SNSを開く人々

現在では非常に多くのSNSがリリースされており、それぞれ異なる特性を備えています。

以下ではフロー型SNSとストック型SNSについて、それぞれの代表的なプラットフォームを挙げながら、概要と特徴について解説していきます。

フロー型SNSの代表例

X

Xは短文投稿を基本とするSNSであり、フォローしているアカウントの投稿をタイムライン上に並べて表示するタイプのプラットフォームです。

任意の投稿を自身のフォロワーのタイムライン上に表示させる「リポスト」機能や、その時点で多くの言及がなされているワードをリアルタイムに反映する「トレンド」機能などにより、「特定の話題に関する投稿が瞬発的に拡散される」というフロー型SNSの特性を強く備えています。

ワード検索により任意の言葉を使った投稿を探すこともできますが、日常会話や個人的なつぶやきなど、さまざまなレイヤーの情報が引っかかるため、何かのノウハウを調べることには向かない面もあるでしょう。

一方で、特定のアカウントによる限定投稿をチェックできる有料サブスクリプションのサービスが開始されたことで、「自分にとって有益な情報を発信してくれるアカウントの発する情報を随時チェックしていける」というストック型に近い一面も生じています。

Facebook

Facebookは実名登録制SNSとして最大級の規模を誇るメディアであり、生身の人間関係をベースにしたフォロー関係とコミュニケーションを大きな特徴としています。タイムライン上にフォロー中のアカウントの投稿を表示する「フィード」機能や、投稿から24時間後に消される「ストーリーズ」機能など、フロー型SNSによく見られる機能を備えたプラットフォームです。

現在では「気になる人の近況を知る」「知り合いに何かを報告する」といった使い方が多く見られ、Xのような「不特定多数に向けた情報拡散」には適していない面があります。一方で、イベントスケジュールの管理など、コミュニティ運営に役立つ機能が多く、既存の関係を維持しながらコミュニケーションを促進していく際に有効に用いられています。

Instagram

Instagramは写真および短尺動画の投稿を主とするプラットフォームであり、Facebookと同様のフィード機能やストーリーズ機能などを備えています。とはいえFacebookとは異なり、画像の閲覧を前提としたインターフェイスをもつために、「直感的な視覚情報をもとにした即時的なコミュニケーション」が展開される傾向が見られます。

とくにビジュアル的な喚起力の高さから、Instagram上でのトレンドがヒット商品を生み出すケースも珍しくありません。さまざまなSNSのなかでも、「バズ」が購買意欲に直結しやすいプラットフォームだといえるでしょう。

このようにInstagramは、フィードやストーリーズなどに表示されるコンテンツの流動性の高さから、フロー型SNSの1つとして数えられます。一方で、画像共有を主軸としていることから、ストック型としての特性を見てとることも可能です。

とりわけインフルエンサーや企業のアカウントにおいては、プロフィールに表示される投稿画像の一覧が当該人物・企業のイメージを大きく左右する傾向にあります。たとえばファッションや美容などに関連する企業アカウントなどの場合、消費者がイメージを掴むために過去の投稿を参照するケースも多いため、情報の蓄積がマーケティングに欠かせない面もあるでしょう。

ストック型SNSの代表例

YouTube

YouTubeは動画投稿プラットフォームとして随一のユーザー数を誇っており、現在では個人や企業を問わず膨大な数のアカウントがコンテンツを発信しています。

エンターテインメント関連のコンテンツも多く見られますが、特定の趣味に活かせる内容や、生活におけるお役立ち情報、商品・サービスのレビューなど、「明確なニーズを抱えたユーザーの期待に沿ったコンテンツ」がコンスタントに人気を博す傾向にあります。

ここから、実際にアカウントを運用する際にも、ターゲットを定めたうえでジャンルやカテゴリを絞っていくことが重要になるでしょう。検索によって見たいコンテンツを探すユーザーに対しても、あるいは自動的におすすめされるコンテンツに従って視聴を続けるユーザーに対しても、「それが何についての動画なのか」を明確に示し続けることが求められるのです。

note

note(※2)はテキスト投稿を主軸に置いたプラットフォームであり、個人による創作やエッセイはもちろん、一般企業の公式ブログとして利用されることも多いメディアです。

長文投稿に対応し、見出しや引用などの機能によって構成面を整えやすいことから、特定のジャンルについての知識を解説したり、専門性の求められる分野について詳述したりすることにも適しています。

また、SEOに強いことも特徴の1つです。個人が書いた記事でも、特定のキーワードにおいては大手メディアよりも上位に表示されるケースが少なくありません。ここから、個人のライターや、大きなメディアを運営する余裕のない企業などが、自身の専門性を活かしたマーケティングを展開する際などにも適しているでしょう。

一方で、フロー型のように「アカウント同士がコミュニケーションを行う場」はあまり用意されていません。記事に対する好意を表す「スキ」や、記事へのコメント機能はあるものの、基本的には「読者がテーマに沿った記事を探してじっくり読む」というように、情報の流れは一方向になる傾向にあります。

(※2)noteもYouTubeと同様、ユーザー間のダイレクトなコミュニケーションよりも、「コンテンツの発信と受容」という一方向的な流れに重きが置かれていることから、SNSのうちに分類しない例もあります。

Pinterest

Pinterestは画像の収集および整理をテーマとしたプラットフォームです。Pinterest Japanの公式ブログにおいて、PinterestはSNSではなく「アイデアを集めておくツール」として位置づけられているものの、ユーザー間のアイデア共有にも有効に活用されていることから、ストック型SNSにきわめて近い特性を備えています。

機能の中心となるのは、画像を収集し、あとから確認・共有できるようボード上に保存しておける「ピン」の機能です。ファッションやインテリア、旅行やレシピなど、しばしば日常生活の「アイデア集め」として用いられています。

ボード上に収集した情報は「コレクション」の機能によりグルーピングでき、他のアカウントにも共有可能です。そのため特定のトピックやジャンルについて、多くの人にとって参考になるコレクションを公開しているアカウントはフォローの対象となりやすく、フォロワーに対してコンスタントに情報を届けることができます。

「興味に応じて、次の行動に向けた情報を収集する」という特性から、実際の消費行動へと結びつきやすい点も特徴の1つです。企業はコレクション機能を使って自社製品のカタログを作成したり、自社に関連の深いテーマのコレクションを通じてお役立ち情報を発信したりと、さまざまな角度からマーケティング施策を展開できます。

SNSマーケティングではフロー型・ストック型の使い分けが重要

打ち合わせ

企業がマーケティングにおいてSNSを運用する際には、目的に応じてフロー型とストック型を使い分けていくことが求められます。

ストック型SNSは、自社に関連する分野のお役立ち情報を消費者向けに発信したり、商品の使い方や魅力を伝えたりすることに適しています。たとえば調味料のメーカーであれば、食と健康にまつわるコラムを掲載したり、自社商品を使ったレシピを投稿したりといった方向が考えられるでしょう。

一方のフロー型SNSは、日常的な投稿によって企業としての親しみやすさをアピールしたり、トレンドや季節をふまえて情報を発信したりすることに向いています。先の例でいえば、従業員の昼食を紹介したり、食品関連のニュースについて言及したりなどの運用法がありうるでしょう。

もちろんいずれの場合にも、コンプライアンス面や倫理面での投稿チェックは欠かせません。その投稿が社会的通念に反するものでないか、ユーザーの心情を害するものでないか、従業員の権利を侵害するものでないかなど、複数の担当者間で多角的に投稿を精査することが求められます。

総じて、コンテンツの蓄積に長い時間を要し、また特定分野への深い造詣が求められるストック型SNSは、「専門性」と「信頼性」を深めていくことを軸に長期的な方針を定めることが望ましいといえます。対して流動性の高いフロー型SNSにおいては、「話題性」と「共感」という面から戦略のアプローチを練っていくとよいでしょう。

ストック型SNSに蓄積しているコンテンツのなかから、トレンドに即したものをフロー型SNSで紹介する、といった組み合わせ方も有効です。それぞれの特性に応じて棲み分けをしながら、相乗効果をあげられるような使い方をしていきたいところです。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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