最先端のWebマーケティングを発信するメディア

最先端のWebマーケティングを発信するメディア

Webマーケティング戦略はどう立てる?大切な考え方やフレームワークを解説!

最終更新日:
SHARE
FacebookTwitterLineHatenaShare

消費者からの認知・関心を高めるうえで、Webマーケティングは今や欠かせないものとなっています。一方で、マーケティングの実践にあたっては多角的な戦略展開が求められるため、「何をどう進めればよいか」が見通しにくい場面もあるでしょう。

マーケティングの効率を高めるには、自社の方針を明確化し、進むべき道のりを具体的なステップに落とし込むことが重要です。この記事では、Webマーケティング戦略に役立つ思考法やフレームワークについて紹介していきます。

Webマーケティング戦略の基本的なフロー

Webマーケティングとは「Webを通じた販売促進活動」全般を指す言葉であり、これにはきわめて幅広い施策が含まれます。Webサイトや広告、SNSの運用をはじめ、それにともなうコンテンツ制作やSEO対策など、多方面を視野に入れた戦略展開が求められます。

多様な手段のなかから自社にあったものを選択し、それを効率的に実践していくには、プロジェクトを明確なフローのなかで進め、段階的に課題を解決していく必要があるでしょう。

Webマーケティングについては、以下の記事で詳しく解説しております。

マーケティングの進行フローにはさまざまな形式が考えられますが、以下では「現状分析から改善まで」の基本的な流れを解説していきます。

現状分析

ビジネスを展開するにあたっては、自社を取り巻く環境を客観的に整理するための事前準備が必要です。まずは市場調査や競合分析を通じて、業界の大局を捉えるとともに、「自社の商品にはどれだけのニーズがあるか」「そのニーズを抱えているのはどんな人か」を見定めていきましょう。

現状分析において検証すべき内容は多岐にわたり、たとえば業界内の売上高に関するデータのほか、自社に関連する政治経済の動向、さらには世論や世相、地域性など幅広い視点が求められます。

情報を多面的に収集しながら、自社に関連する情報をピックアップし、「解消すべき課題」や「達成すべきファクター」を浮き彫りにすることがここでの目標となるでしょう。

戦略立案

現状分析を通じて十分な材料が得られたら、それをもとにプロジェクトや施策の計画を立てていきます。具体的なプランを策定する前に、現状に照らした目標を設定し、それを実現するためのステップを整理していくとよいでしょう。

そこからさらに、個々の段階において達成すべき目標や解決すべき課題を見定め、実現に向けた計画へと落とし込んでいきます。具体的な検討内容としては、ターゲットの設定や、ブランディング方針の確定、それにもとづく広告戦略およびそのプラットフォームの選定、予算案の策定や販売チャネルの選定などが挙げられます。

効果測定と原因追及

計画を実行に移したら、その効果を逐一モニタリングしていきましょう。ECサイトへの流入数やコンバージョン率、広告のインプレッションなどを追いながら、施策の効果が表れている部分とそうでない部分を確認する必要があります。

施策の費用対効果についても検証し、事前に設定した「目標の達成度合い」を把握することが重要です。そのうえで、効果が出ていない箇所を中心に原因を検証し、改善案へとつなげていくことが求められます。

フィードバックと改善

施策を通じて浮き彫りになった課題に対し、解決策を案出していきます。広告のターゲティングは適切か、Webサイトのコンテンツや導線は整理されているか、SNSの運用方針はターゲットに見合っているかなど、問題に応じて施策を振り返り、修正点を見つけていきましょう。

Webマーケティング戦略のポイント

Webマーケティングの成果を高めるには、綿密な計画にもとづく施策の展開や、継続的なフィードバックが求められます。以下ではWebマーケティングを効率化していくうえで重要なポイントを解説します。

目標設定を明確にする

Webマーケティングにおいて選択しうる手段は多岐にわたり、自社の目的や特性によって採用すべき方法は異なります。

状況にあわせた手段を選ぶには、まず最終的な目標を明確にしたうえで、「それを達成するには何が必要か」という観点から具体的な計画を練っていく必要があるでしょう。その際、現実的なプランを立てるには、目標を客観的な数値として設定することが望ましいといえます。

また、マーケティングを実行に移したあとも、効果測定やフィードバックの場面においては「目標に照らした現状」についての分析が求められます。目標が具体的に設定されているほど、現状の課題も把握しやすくなるため、あらかじめ計画段階においてプロジェクトの大目標や小目標を細かく設定しておくことが大切です。

「ターゲティング」や「セグメンテーション」を重視する

インターネットやスマートフォンが普及し、多くの人が多様な情報にアクセスできる現在では、「不特定多数に向けた情報発信」によって潜在顧客に訴求することは難しいといえます。消費者は膨大な情報のなかから「自分にとって必要な情報」を選別しなければならないため、その意図に応えるようなアプローチが必要になるのです。

具体的には、「自社の商品・サービスを必要としているのはどんな人か」という観点から、ターゲット像を明確化し、その消費行動にあわせたアプローチを取ることが求められます。

さらに、ターゲットに対して「いつ、どんなアプローチをかけていくか」も重要です。購買に至るまでのプロセスをいくつかの段階に分け、「個々のターゲットがどのステージにいるのか」を区分するセグメンテーションの考え方が求められるでしょう。

データや指標をもとに分析する

Webマーケティングにおいては、ターゲットの購買行動を「客観的なデータ」をもとに把握することが大切です。とくに現在では、WebサイトやECサイト、SNSなどさまざまなプラットフォームにおいてユーザー行動を計測できるツールが普及しているため、これらを積極的に活用していきましょう。

データを読み取る際には、「その数字がユーザーのどんな行動を表しているのか」という観点が重要になります。データや指標をユーザーの「具体的な行動パターン」として捉えることができれば、現状の問題も見えやすく、改善案にもつなげやすくなるでしょう。

トライ&エラーを繰り返す

Webマーケティングにおいては基本的に、施策の効果がすぐにWeb上のデータとして反映されるため、計画から実行、振り返りから改善までのプロセスを短いスパンで実行可能です。

気づいた点があればすぐに改善案として実行し、効果を観測するなど、「試行」と「フィードバック」を繰り返しながら戦略を最適化していく姿勢が求められるでしょう。

計画から改善までのプロセスを繰り返していくうえでは、「PDCAサイクル」のモデルを取り入れることも有効です。このサイクルは「Plan (計画)」「Do (実行)」「Check (評価)」「Action (改善)」という過程を繰り返し実行するモデルであり、プロジェクトや業務を継続的に改善していく際に役立ちます。

なお、PDCAサイクルやその他の改善モデルについては、以下の記事で詳しく解説しております。あわせてご参照ください。

Webマーケティングに使えるフレームワーク・現状分析編

Webマーケティングを効率的に行うには、運用のなかでさまざまな分析フレームワークを取り入れることが有効です。マーケティングに活用できるフレームワークには多くの種類がありますが、以下ではまず「現状分析」に役立つものを紹介します。

なお、それぞれの項目には当のフレームワークについて解説する記事へのリンクも設置しておりますので、そちらもあわせてご参照ください。

PEST分析

PEST分析は、ビジネスを展開するうえで、自社に関連する業界の状況を大局的に見通すためのフレームワークです。「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」という4つの観点から、自社を取り巻く社会や市場の動向を整理していきます。

このフレームワークは社会情勢や技術環境といった「マクロな外部環境」を把握することを目的としており、とくに新規事業やプロジェクトを展開する際など、「大きな視点」から状況を捉えたい場合に有効です。

自社の商品やターゲットについて検証する前段階として、「ビジネスの前提条件」を整理するために実行しておきたいフレームワークだといえます。

3C分析

マクロな外部環境を整理するPEST分析に対し、この3C分析は「自社の現状」を市場や競合他社との関係性から捉えるフレームワークです。「Customer(顧客・市場)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」という3つの視点から、「今後の課題」や「成功のためのポイント」を明確化し、進むべき方針を見定めていきます。

なお分析にあたっては、外部環境と内部環境を総合的に見通すことが求められるため、「3C分析の過程で異なるフレームワークを取り入れる」というケースも多く見られます。

ビジネスを展開するうえで、「自社を取り巻く市場はどのようなもので、そこで成功するには何が必要か」を把握するために実践しておきたいところです。

STP分析

STP分析は、自社を取り巻く市場の状況を整理したうえで、「自社が市場でどのような立ち位置を占めるべきか」を見定めるためのフレームワークです。「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」という3つの要素から、市場を細分化し、狙うべきポジションを明確にしていきます。

自社内外の環境を総合的に捉える点で、3C分析と重なる部分もありますが、STP分析は市場の情勢をわかりやすく可視化できることを1つの特徴としています。そのためとくに「市場の勢力図」をビジュアルで整理しておきたい場合に有効といえるでしょう。

Webマーケティングに使えるフレームワーク・戦略立案編

Webマーケティングに役立つフレームワークのうち、とくに「戦略立案」の場面で活かせるものを紹介していきます。複雑になりがちなマーケティング戦略を整理するうえで、強い味方になってくれるでしょう。

KPIツリー

KPIツリーとは、組織全体の最終目標であるKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)を見据え、その達成に必要な要素をツリー状に整理した図です。KGIを達成するための細かな小目標をKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として複数挙げながら、最終目標に到達するまでの道のりを段階的に図示していきます。

組織の向かうべき地点をあらかじめ設定し、「次に何をすればよいのか」を可視化することにより、大きな目標へのステップを「具体的な行動」にまで落とし込める点が強みです。戦略立案にあたり、進むべき道のりを整理・共有したい場面などで有効でしょう。

カスタマージャーニー

カスタマージャーニーは、顧客が商品を認知し、購入・利用するまでのプロセスを「旅」になぞらえた考え方です。顧客の心理や行動の変化を段階的に整理した「カスタマージャーニーマップ」を作成する手法が広く取り入れられており、これによりターゲットが明確化され、購買プロセスにあわせた戦略が立てやすくなります。

たとえばプロセスを「認知」「情報収集」「検討」「購入」と区分し、各段階において「顧客との接点をどう作るか」「どのように次の行動へとつなげるか」といったポイントを検証していく方法が考えられます。

このように、顧客の購買行動を段階的に区分しておくことは、後の効果測定や原因追及の際にも有効に機能するでしょう。「プロセスのどこにボトルネックがあるか」が見通しやすくなるため、改善策を具体化しやすいといえます。

4P分析・4C分析

4P分析や4C分析は、戦略立案にあたって「自社の商品をどのように訴求し、売り出していくか」という方針を見定めるためのフレームワークです。

4P分析は「製品(Product)」「価格(Price)」「販促(Promotion)」「流通(Place)」という4つの観点から、戦略の適正化を図るために用いられます。商品特性をふまえ、訴求方法や販売形式などを検討していく段階で効果を発揮するでしょう。

一方、この4P分析を「消費者側の目線」から捉え直したものが4C分析です。「顧客にとっての価値(Customer Value)」「経費(Cost)」「コミュニケーション(Communication)」「利便性(Convenience)」という4つの側面にわたり、自社の商品・サービスの特性を検証していきます。

総じて、4P分析は主にマーケティング戦略や販路を構築する際、「商品をどのように売り出していくか」を検討するためのフレームワークであり、一方の4C分析は「その商品や訴求方法がターゲットにどう映るか」を確認するためのフレームワークです。

ここから、戦略立案にあたって4P分析を実施したあとで、4C分析を行うことにより「消費者目線から見てその戦略は適正か」をチェックする流れがスタンダードだといえます。

なお、4P分析や4C分析のように、マーケティング戦略を構成する要素を項目ごとに精査していく方法を「マーケティングミックス」と呼び、戦略立案において欠かせない考え方とされています。

SAVE

上記の4P分析を時代にあわせてアップデートしたフレームワークがSAVEです。Web環境や消費性向の変化をふまえ、「Solution(解決)」「Access(接点)」「Value(価値)」「Education(啓蒙)」という4つの要素から商品・サービスの訴求方法を検証していきます。

現在では企業による情報発信の方法が多様化し、ECサイトをはじめ販路の構築も簡便化されています。このような現状のなか、SAVEのフレームワークは「顧客とどう接点を作り、自社への関心を深めていくか」という点をブラッシュアップしたい場合に役立つでしょう。

Webマーケティングに使えるフレームワーク・原因追及編

Webマーケティングのプロセスのうち、とくに効果測定や原因追及の場面で有効なフレームワークを紹介します。指標やデータをもとに、「現状の課題」を明らかにするうえで有効な手法です。

5Why分析(なぜなぜ分析)

5Why分析は、特定の問題について「それがなぜ起きているのか」を検証するためのフレームワークです。「なぜ」を繰り返し問うことで、より具体的な原因を浮き彫りにし、最終的に「実際の行動によって改善できるポイント」にまでたどり着くことを目的としています。

特別な準備を必要とせず、問題点について「なぜ」と考察を深めていくだけで実行できるため、「効果測定を通じて露わになった表面的な問題」を考える際のファーストステップとして最適な手法といえるでしょう。

ロジックツリー

ロジックツリーは「特定の問題の因果関係」について、階層図を用いて検証していく方法です。大きな課題や検討事項を左項におき、右に向かってその原因となる項を配置していく形式が多く見られます。

主な用途としては、問題の原因を細分化しながら特定したり、課題に対する解決策を見つけたりする場面が挙げられます。あるいは先の「KPIツリー」のように、「目標達成に向けた段階ごとの課題」を整理する際にも有効です。

上の5Why分析に比べると、問題の構造を可視化しやすい一方で、原因が枝分かれしていくため複雑化しやすい面もあります。ロジックツリーはとりわけ、「ある問題の構造を全体として把握したい場面」で効果を発揮するでしょう。

デプスインタビュー

デプスインタビューは、消費者と1対1の面談を通じて「購買行動における心理」を深く探っていく方法です。「購入を決めたポイント」や「商品の使い心地」など、定量的な調査からは把握しにくい「主観的な感覚」についての判断材料を得るために行われます。

そのためデプスインタビューは、効果測定で定量的なデータを整理したうえで、さらに細かな課題や検討点を浮き彫りにしたい場合などに有効な手段だといえます。消費者目線から与えられる気づきを通じて、データからは見えなかった改善点が見つかる可能性もあるでしょう。

Webマーケティングに使えるフレームワーク・改善編

Webマーケティングにおいて、課題に対する改善案を導出する際に役立つフレームワークを紹介します。プロジェクトのなかで見えてきた問題点をどれだけスムーズに改善できるかによって、マーケティングの成果は大きく左右されるでしょう。

KPT法

KPT法とは、マーケティングの実践を通じて得られた材料をもとに、現状の「うまくいっている点」や「改善すべき点」を区分し、改善のヒントにしていくためのフレームワークです。振り返りのなかで見えてきた現状を「Keep(継続すべきこと)」「Problem(解決すべき問題点)」に分けたうえで、「TRY(今後取り組むべきこと)」を浮き彫りにしていきます。

とくに「現状の課題を大まかに整理し、メンバー間で共有する」といった場面で役立つと考えられます。組織的なプロジェクトのほか、個人が自身の業務を振り返る際にも有効なフレームワークです。

ECRSの原則

ECRS(イクルス)の原則は、現状の業務プロセスのなかで生じている非効率な点を浮き彫りにし、それを改善していくためのフレームワークです。

「Eliminate(排除)」「Combine(統合)」「Rearrange(組み替え)」「Simplify(簡素化)」という4つの観点から検証を行い、ムダになっている要素を取り除いたり、フローを再構成したりすることにより、プロセスを合理化・効率化していきます。

マーケティングの場面においては、たとえばカスタマージャーニーマップのなかで不要なプロセスをカットしたり、購買行動のモデルを組み直したりする際などに役立つでしょう。

このように、Webマーケティングに活用できるフレームワークは多種多様であり、上に挙げたもの以外にもさまざまな種類があります。もちろんマーケティングの運用においてすべてを実践する必要はなく、自社の目的や特性、現状の課題などに応じて、適切なものを取り入れていくことが大切です。

SHARE
FacebookTwitterLineHatenaShare

この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

UPDATE 更新情報

  • ALL
  • ARTICLE
  • MOVIE
  • FEATURE
  • DOCUMENT