生成AI(生成系AI)とは?メリットやデメリット、従来のAIと違いを解説!
ChatGPTの登場により、一躍注目を浴びるようになった生成(生成系AI)ですが、どのような仕組みなのかわからない方は多いはずです。
また、ChatGPT以外にも数多くの生成AIサービスが人気を集めており、どれから試せばいいのか決められないこともあるでしょう。
そこで本記事では、生成AIの基本情報をわかりやすく解説します。従来のAIとの違いをはじめ、メリットやデメリット、知っておくべき生成AIの種類も紹介しています。ぜひ参考にしてください。
目次
生成AI(生成系AI)とは
「生成AI(生成系AI)」とは、学習データをもとに新たなコンテンツを生み出すAIのことです。別名「Generative AI(ジェネレーティブAI)」とも呼ばれます。
わずか2ヶ月で1億ユーザーを獲得したChatGPTをはじめ、画像生成AIのStable Diffusion、検索エンジンに搭載されたGoogleのSGEなど、さまざまな分野で画期的なサービスが注目を集めています。
生成AIの仕組みは?従来のAIとの違い
生成AIには「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる技術が活用されています。与えられた大量の学習データをもとに、AI自身が最適な回答を作り出す仕組みです。つまり、0から1を生み出すことができるので、「生成」AIと呼ばれています。
一方、従来のAIの仕組みは、与えられた学習データのなかから最適な回答を探し出すようになっています。人間がAIに対して答えを提示している点がポイントです。最適な回答を生み出すのではなく、予測して探し出しています。
両者の違いを比較すると以下のとおりです。
- 生成AI:学習データをもとに回答を作り出す
- 従来のAI:学習データから回答を探し出す
ChatGPTやDALL-Eなどの生成AIは、学習データからオリジナルコンテンツを創造しています。この点が画期的なので、これほどまでに生成AI市場が注目されているのです。
生成AIのメリット
生成AIのメリットは、やはりオリジナルコンテンツを手軽に作り出せる点です。
前述したとおり、ディープラーニングを活用した生成AIは、0から1を生み出す作業に対応できます。ただ、これだけなら市場がここまで熱狂している理由にはなりません。手軽に生成できる点がポイントです。
たとえば、画像生成AIのBing Image Creatorの場合、わずか10秒ほどでハイクオリティな画像を生成できます。この際、作成者が行ったのはプロンプトと呼ばれる文章をテキストボックスに入力しただけです。
本来であれば、1枚の画像を完成させるまでに数時間~数日かかります。しかし、生成AIを活用すれば、わずか数秒でプロレベルの画像が手に入るのです。
もちろん、ビジネスで利用する際は若干の手直しが必要だと思います。ただ、商用利用に耐えうるクオリティの画像をわずか10秒ほどで作るのは、人間にはとてもできない芸当でしょう。これが生成AIの最大のメリットといえます。
生成AIのデメリット
生成AIのデメリットは、著作権の扱いがグレーゾーンという点です。商用利用の際は細心の注意を払わなければいけません。
前述したとおり、生成AIはディープラーニングを活用しているので、もととなる大量の学習データが必要になります。どのような方法で大量の学習データを確保しているかは各サービスごとに異なりますが、第三者のコンテンツを無断で使用しているケースも多いです。
ただ、このような行為が著作権の侵害にあたるかどうかは明確になっていません。
文化庁著作権課が公開した「AIと著作権」では、著作物の学習データをAI開発に用いることは原則可能と解説されています。しかし、著作権者の利益を不当に害する場合などは話が別です。
また、日本は生成AIに対する法規制が緩いことで有名だったのですが、それを改善しようという動きもあります。
生成AIによるコンテンツを商用利用した結果、著作権侵害で訴えられてしまう可能性もあるのでご注意ください。
主な生成AIの種類
ここでは、生成AIの代表的な種類をご紹介します。
- チャットAI
- 画像生成AI
- その他生成AI
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
チャットAI
チャットAIとは、ユーザーとの自然な対話を通し、情報提供や問題解決を行ってくれる生成AIです。「ChatGPT」「Bing AI」などが該当します。
基本的な使い方は、テキストボックスに英語や日本語でプロンプトを入力するだけです。たとえば、ChatGPT超えと噂されているClaude 2に「ChatGPtとClaude 2の違いについて教えてください」と入力した結果は以下のとおり。
出力された回答が気に入らなければ、追加でプロンプトを入力します。今回は「では、どちらのほうが優れたサービスですか?」と指示を出してみましょう。結果は以下のとおりです。
このように、生成AIを利用したチャットサービスでは、まるで人間と会話しているかのようなコミュニケーションを取ることができます。
また、今回は簡単な質問をしただけですが、PDFを要約したり、プログラミングのコードを出力したり、他にもさまざまな使い方が可能です。
画像生成AI
画像生成AIとは、プロンプトを入力すると短時間で画像を出力してくれる生成AIです。「Midjourney」や「Stable Difusion」などが該当します。
基本的な使い方はチャットAIと同様です。テキストボックスにプロンプトを入力するだけで、プロレベルの画像やイラストを生成してくれます。たとえば、画像生成AIのSeaArtに「稲妻の魔法を放つ猫」と入力した結果は以下のとおりです。
また、画像生成AIはサービスごとにオプション機能が異なります。Bing Image Creatorのようなシンプルなものもあれば、Leonardo.aiのように細かな設定ができるものもあります。
画像生成AIの詳細が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。無料で試せる画像生成AIを厳選して紹介しています。
>>>【最新16選】無料の画像生成AI・イラスト自動生成サービス!おすすめスマホアプリやWebサイトを紹介
その他生成AI
現時点(2023/12/18)の情報ですが、生成AIといえばチャットAIと画像生成AIが最も有名です。実際、ChatGPTやStabele Difusionなど、数多くの人気サービスが存在します。
一方、他のジャンルでも生成AIの種類は増えています。具体的には、実在の人物の声を真似することでニセ音声を作れる音声生成AI、チャット・画像の次に注目を集めている動画生成AIなどです。
生成AIの活用事例
生成AIは、すでに多くのビジネスシーンで活用されています。生成AIは市場のあり方自体を変えてしまうゲームチェーンジャーになりえてしまうからです。
ここでは、実際に生成AIを活用している事例をご紹介します。
- サイバーエージェント
- 横須賀市
サイバーエージェント
サイバーエージェントでは、生成AIを全面的に導入し、2026年までに映像・書類作成などの業務を6割削減すると発表しています。そうすることでリソースを算出し、新サービスの企画をはじめとして付加価値の高い業務に時間を充てるそうです。
またサイバーエージェントは、2023年10月に「AIオペレーション室」を新設するなど、高い本気度をもってAIと向き合っています。
参考:サイバーエージェント、生成AIで業務6割減 開発・採用に|日本経済新聞
横須賀市
神奈川県横須賀市では、2023年4月20日から全庁でChatGPTの導入をスタートさせました。同市が文書管理システムに登録するデータの数は約9万件/年にのぼり、そのほかの業務でも大量の文書を作成しています。このようなChatGPTが得意とする領域で活用するとのことです。
また、行政機関が外部の生成AIサービスを利用するということは、より一層情報漏洩のリスクを考慮しなければいけません。横須賀市では、機密性の高い情報は書かない、最終チェックは人間が行うなどして入念に対策しているそうです。
参考:横須賀市、日本初のChatGPT導入の知見を生かし行政のイノベーションを目指す|デジタルクロス
生成AIの規制の現状
デメリットの項目で解説したとおり、生成AIには著作物侵害のリスクがつきまといます。そのほかにも、過激なコンテンツを手軽に作成できてしまうこと、生成AIの透明性が十分でないことなどから、ルール整備の動きが活発化しています。
すでにEU(欧州連合)では、包括的なAI規制の法案が大筋で合意されており、そのなかには生成AIに関する内容も含まれています。
参考:包括的なAI規制で欧州が大筋合意──新技術がもたらすリスクに歯止めはかかるのか|WIRED
また、世界各国と比較して生成AIの自由度が高かった日本でも、規制に関する動きが始まっています。
参考:AI規制の法制化を 自民党部会が提言 欧米念頭「企業に報告義務」|朝日新聞DIGITAL
規制により生成AIを取り巻く現状がどう変化するかはわかりません。ルールが整備されて使いやすくなるのか、それとも自由度が低くなり進化がとまるのか、今後も情報を追っていきたいと思います。
生成AIのまとめ
本記事では、生成AIについて解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 生成AIは0から1を作り出すAI
- オリジナルコンテンツを手軽に生成可能
- 著作権や商用利用には配慮が必要
- チャットAIや画像生成AI以外にも種類がある
ビジネスシーンにおいて生成AIは、ゲームチェンジャーとなりうる存在として認識されています。GoogleやMicrosoftなど、世界的大企業が莫大な金額を投資しているのはそのためです。
ただ、現状は著作権の問題を100%解決できておらず、商用利用の際は細心の注意が必要です。
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