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コミュニティマーケティングとは?失敗しないためのポイントと企業の成功事例を紹介

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自社商品やサービスについて、顧客のリアルな声を集めたいと考えていませんか。SNSやレビューサイトで情報収集しても、匿名の投稿が多く、本音なのか建前なのか判断できないケースは少なくありません。そこで注目されているのが「コミュニティマーケティング」です。

コミュニティマーケティングとは、企業が既存顧客同士が交流できる場を提供し、その中から得られる情報や関係性をマーケティングに活かす手法を指します。

本記事では、コミュニティマーケティングの定義から具体的な導入手順、失敗しないためのポイント、企業の成功事例まで網羅的に解説します。顧客との関係を深め、持続的な成長を目指す方はぜひ参考にしてください。

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目次

コミュニティマーケティングとは?

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コミュニティマーケティングとは、企業が自社ブランドや商品・サービスに関心を持つ顧客同士が交流できるコミュニティを構築し、そこから得られる情報や関係性をマーケティング活動に活用する手法です。

従来の一方向的な広告やプロモーションとは異なり、顧客と企業、そして顧客同士の双方向コミュニケーションを重視します。コミュニティの形態はオンラインとオフラインの両方があり、専用のコミュニティサイトやSNSグループ、会員制イベントなど多様です。

重要なのは、企業が一方的に情報を発信するのではなく、顧客が主体的に参加し、意見交換や情報共有を行える「場」を提供することにあります。

顧客ロイヤルティの向上や口コミによる新規顧客獲得、商品開発へのフィードバック活用など、さまざまな効果が期待できるマーケティング手法として注目されています。

従来のWebマーケティングとの違い

従来のWebマーケティングとコミュニティマーケティングの最も大きな違いは、顧客との関係性の構築方法にあります。従来型は広告やSEO、SNS投稿などを通じて企業から顧客へ一方的に情報を届ける「プッシュ型」が中心でした。

一方、コミュニティマーケティングは顧客同士の交流を促進し、その中で自然に情報が広がる「プル型」の要素が強い手法です。また、従来のWebマーケティングは新規顧客獲得に重点を置くケースが多いのに対し、コミュニティマーケティングは既存顧客の維持と深耕に主眼を置きます。

広告は出稿を止めれば効果も止まりますが、コミュニティは一度構築すれば継続的に価値を生み出し続ける資産となります。短期的な売上よりも、中長期的な顧客との信頼関係構築を目指す点が、従来型との大きな違いと言えます。

コミュニティマーケティングが注目される3つの理由

近年、コミュニティマーケティングへの注目度が急速に高まっています。その背景には、デジタルマーケティングを取り巻く環境の大きな変化があります。

  • 広告費の高騰と獲得効率の低下
  • 既存顧客維持の重要性の高まり
  • 顧客が求める関係性の変化

コミュニティマーケティングが今、多くの企業に選ばれる3つの理由を解説します。

広告費の高騰と獲得効率の低下

デジタル広告の競争激化により、広告費は年々高騰しています。Google広告やMeta広告などではクリック単価が上昇を続けており、以前と同じ予算では同じ成果が得られません。

加えて、広告ブロッカーの普及やZ世代の広告忌避も強まり、費用対効果は低下の一途です。広告に依存しない顧客獲得手法として、コミュニティマーケティングが注目されています。

既存顧客維持の重要性の高まり

新規顧客獲得コストは既存顧客への販売コストの5倍かかる「1:5の法則」や、顧客離れを5%改善すれば利益が最低25%向上する「5:25の法則」が知られています。

コミュニティマーケティングは既存顧客との関係性を深め、LTV(顧客生涯価値)を最大化する有効な手段です。顧客が企業やブランドに愛着を持ち、長期的に利用し続ける環境を作れる点が評価されています。

顧客が求める関係性の変化

現代の消費者、特にミレニアル世代やZ世代は、企業との一方的な関係性を求めていません。自分の声が届き、ブランドの意思決定に参加できることに価値を感じる傾向が強まっています。

コミュニティマーケティングは、顧客を単なる「買い手」ではなく「仲間」や「共創者」として巻き込み、企業と顧客、顧客同士がフラットに対話できる関係性を構築できる点が支持されています。

コミュニティマーケティングの4つのメリット

コミュニティマーケティングのメリットのイメージ

コミュニティマーケティングを導入することで、企業は以下のようなメリットを得られます。

  • ユーザーの本音を低コストで収集
  • 顧客ロイヤルティの向上とLTV拡大
  • 口コミによる良質な新規顧客獲得
  • カスタマーサポートコストの削減

それぞれのメリットについて、もう少し解説していきます。

ユーザーの本音を低コストで収集

コミュニティ内では、顧客が自発的に商品やサービスに関する意見や要望を発信してくれます。従来のアンケート調査やインタビューでは建前的な回答が多くなりがちですが、コミュニティでは同じ関心を持つ仲間同士の会話の中で本音が語られやすい環境が整っています。

また、調査会社に依頼する必要がないため、コストを大幅に削減できます。コミュニティ内での日常的な会話や投稿を観察するだけで、顧客インサイトを継続的に収集可能です。

新商品開発のヒントや既存サービスの改善点など、マーケティングリサーチとしての価値も非常に高いと言えます。

顧客ロイヤルティの向上とLTV拡大

コミュニティに参加する顧客は、企業やブランドとの関係性が深まることで、自然とロイヤルティが高まります。コミュニティ内で他の顧客や企業担当者と交流を重ねることで、ブランドへの愛着や信頼が育まれるためです。

ロイヤルティの高い顧客は、リピート購入率が高く、解約率も低い傾向にあります。結果として、顧客1人あたりのLTV(顧客生涯価値)が大きく向上します。

実際、ハーレーダビッドソンの会員制コミュニティ「H.O.G.」のメンバーは、非メンバーと比較して30%多く商品を購入するというデータもあります。長期的な収益基盤の構築に、コミュニティは大きく貢献するでしょう。

口コミによる良質な新規顧客獲得

コミュニティマーケティングは既存顧客の維持だけでなく、新規顧客獲得にも効果を発揮します。コミュニティに参加するロイヤルカスタマーは、自ら進んでブランドや商品を周囲に推奨してくれる傾向が強いためです。

口コミは広告と比較して信頼性が高く、購買決定に与える影響も大きいことが知られています。コミュニティメンバーによる自発的な推奨は、企業が発信する情報よりも説得力があり、質の高い見込み客を連れてきてくれます。

広告費をかけずに新規顧客を獲得できる点は、コミュニティマーケティングの大きな魅力の1つです。

カスタマーサポートコストの削減

コミュニティが活性化すると、顧客同士で疑問や問題を解決し合う文化が生まれます。ある顧客が質問を投稿すると、別の顧客が自分の経験をもとに回答してくれるケースが増えるのです。

これにより、企業のカスタマーサポート部門への問い合わせ数が減少し、対応コストを削減できます。また、よくある質問をQ&A形式でまとめておけば、同じ質問への重複対応も防げます。

企業担当者は複雑な問題や重要な案件に注力できるようになり、サポート業務全体の効率化にもつながります。

コミュニティマーケティングの3つのデメリット

コミュニティマーケティングのデメリットのイメージ

メリットの多いコミュニティマーケティングですが、導入にあたっては注意すべき点もあります。

  • 成果が出るまでに時間がかかる
  • 専門的な運営ノウハウが必要
  • 炎上リスクと適切な距離感の維持

事前にデメリットを把握しておかないと、短期間で成果が出ないと判断してしまう原因にもなりかねません。

成果が出るまでに時間がかかる

コミュニティマーケティングは、広告のように即座に効果が出る施策ではありません。コミュニティを立ち上げてから活性化するまでには、通常数ヶ月から1年以上の時間を要します。

顧客同士の信頼関係の構築や、企業とのエンゲージメントの醸成には、地道な努力と忍耐が必要です。短期的な売上目標達成を求められる状況では、コミュニティマーケティングは不向きかもしれません。

経営層や関係部署に対して、中長期的な視点での投資であることを理解してもらい、適切なKPI設定と予算確保を行うことが重要です。焦らず腰を据えて取り組む覚悟が求められます。

専門的な運営ノウハウが必要

コミュニティの運営には、従来のマーケティングとは異なる専門的なスキルが求められます。顧客との適切な距離感の保ち方、議論の活性化方法、トラブル対応など、コミュニティマネジメント特有のノウハウが必要です。

単に場を用意するだけでは、コミュニティは活性化しません。参加者が自発的に発言したくなる仕掛けづくりや、継続的なエンゲージメント施策の実施など、きめ細かな運営が求められます。

社内にノウハウがない場合は、外部の専門家やコンサルタントのサポートを受けることも検討したほうが良いです。

炎上リスクと適切な距離感の維持

コミュニティは顧客が自由に発言できる場であるがゆえに、ネガティブな意見や批判的なコメントも投稿されます。適切に対応しないと、炎上につながるリスクがあります。

また、企業側の管理が強すぎると「統制された場」と感じられ、参加者が離れていく可能性もあります。一方で、放置しすぎると無法地帯になり、荒れたコミュニティになってしまいます。

企業は「サポート役」として適度に関与しながらも、顧客主体の運営を妨げないバランス感覚が求められます。ガイドラインの策定や、モデレーターの配置など、健全なコミュニティ運営のための体制整備が不可欠です。

コミュニティマーケティングの種類と手法

コミュニティマーケティングの種類のイメージ

コミュニティマーケティングには「オンライン」「オフライン」「ファンコミュニティ」などさまざまな形態があります。企業の目的やターゲット顧客の特性に応じて、最適な手法を選択することが重要です。

オンラインコミュニティの構築

オンラインコミュニティは、インターネット上で顧客同士が交流できる場を提供する手法です。場所や時間の制約がなく、多くの顧客が参加しやすい点がメリットです。構築方法は主に3つのタイプに分けられます。

専用プラットフォーム型


企業が独自にコミュニティサイトを構築する方法です。communeやcoorumなどの専用ツールを活用すれば、投稿機能、コメント機能、イベント管理、会員管理など、運営に必要な機能が一通り揃っています。

セキュリティ面でも安心でき、データの収集や分析も自社でコントロール可能です。初期費用や月額費用はかかりますが、本格的にコミュニティマーケティングに取り組むなら最も効果的な選択肢です。

SNSグループ活用型


FacebookグループやX(旧Twitter)のハッシュタグ、Instagramなど、既存のSNSプラットフォームを活用する方法です。初期費用がかからず、参加者もSNSアカウントさえあれば気軽に参加できるため、導入ハードルが低い点が魅力です。

ただし、プラットフォームの仕様変更やアルゴリズムの影響を受けやすく、企業側のコントロールが効きにくい側面もあります。小規模なコミュニティや試験的に始めたい場合に適しています。

チャットツール活用型


SlackやDiscord、LINEのオープンチャットなど、チャットツールを活用する方法です。リアルタイムでのコミュニケーションが可能で、双方向のやり取りがスムーズに行える点が特徴です。

特にBtoB企業では、Slackを活用したユーザーコミュニティが増えています。投稿のハードルが低く日常的な交流が生まれやすい反面、情報が流れやすく過去の投稿を探しにくいため、用途に応じた使い分けが必要です。

オフラインイベントの開催

セミナーや勉強会、交流会、体験会などのオフラインイベントも、コミュニティマーケティングの重要な手法です。対面でのコミュニケーションは、オンラインでは得られない深い信頼関係の構築につながります。

オフラインイベントでは、参加者同士が直接顔を合わせて話すことで、より強固なつながりが生まれます。企業担当者も参加者と直接対話できるため、リアルな声を聞きやすい環境です。

ただし、開催コストや参加者の物理的な移動負担が発生するため、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド型のコミュニティ運営が理想的でしょう。

ファンコミュニティの支援

ファンコミュニティとは、企業が主導せず、熱心なファンが自発的に立ち上げた自然発生(オーガニック)コミュニティを指します。YouTubeチャンネルや個人ブログ、ファンサイトなどの形で存在します。

企業にできることは、こうしたファンコミュニティを見つけ出し、適切にサポートすることです。情報提供や限定グッズの提供、イベントへの招待などを通じて、コミュニティリーダーとの良好な関係を築きましょう。

ただし、過度な介入は逆効果になる可能性があるため、あくまで「支援者」としての立場を保つことが重要です。ファンコミュニティの自主性を尊重しながら、Win-Winの関係を構築していくことが成功の鍵となります。

BtoB・BtoCでの活用の違い

コミュニティマーケティングの活用の違いのイメージ

コミュニティマーケティングはBtoB、BtoCいずれの領域でも有効ですが、それぞれに適した運営方法があります。

BtoB企業での活用ポイント

BtoB企業では、顧客企業の担当者同士をつなぐコミュニティが効果的です。同じ課題を抱える担当者同士が情報交換できる場を提供することで、製品やサービスの活用ノウハウが共有され、顧客満足度の向上につながります。

例えば、SaaS企業が提供するツールの活用方法を学び合うユーザーコミュニティや、業界特有の課題について議論する勉強会などが該当します。

BtoBの場合、参加者は業務時間内に参加することが多いため、平日日中の開催や、業務に直結する実践的なコンテンツが求められます。また、機密情報の取り扱いやセキュリティにも配慮が必要です。

BtoC企業での活用ポイント

BtoC企業では、商品やブランドへの愛着を深め、ライフスタイルに寄り添うコミュニティが適しています。趣味や関心を共有する仲間との交流を楽しめる場を提供することで、ブランドとの感情的なつながりが強化されます。

食品メーカーであればレシピ共有、化粧品ブランドであれば美容情報の交換、アウトドアブランドであれば実際の使用体験の投稿など、商品を中心としたライフスタイルコンテンツが有効です。

BtoCの場合、週末や夜間に活動する参加者が多いため、投稿のタイミングや企業からの情報発信時間帯にも配慮が必要です。

DtoCブランドでの活用事例

DtoC(Direct to Consumer)ブランドは、仲介業者を挟まず直接顧客と取引するビジネスモデルです。顧客との直接的な関係性が強みであるため、コミュニティマーケティングとの相性が非常に良い領域と言えます。

例えば、完全栄養食を展開するBASE FOODは「BASE FOOD Lab」というコミュニティを運営し、ユーザー同士がアレンジレシピを共有したり、食生活の改善について語り合ったりしています。

D2Cブランドは創業初期から顧客の声を商品開発に反映させやすく、コミュニティを通じた共創がブランド価値の向上に直結します。商品購入者を単なる「顧客」ではなく「ブランドの仲間」として巻き込むことで、強固なブランドコミュニティを形成できるでしょう。

コミュニティマーケティングの始め方

コミュニティマーケティングの始め方のイメージ

コミュニティマーケティングを成功させるには、計画的なステップを踏むことが重要です。ここでは、実際にコミュニティを立ち上げる際の5つのステップを解説します。

  • Step1:目的とゴールの明確化
  • Step2:ターゲット顧客の選定
  • Step3:プラットフォームの選択
  • Step4:ガイドライン・ルールの策定
  • Step5:初期メンバーの招待と活性化

それぞれのステップについて見ていきましょう。

Step1:目的とゴールの明確化

コミュニティを運営する目的を明確にしてください。「顧客の声を収集したい」「既存顧客の解約率を下げたい」「新商品開発のアイデアを得たい」など、具体的な目的を設定します。目的が曖昧なまま始めると、運営方針がぶれて期待した成果が得られません。

目的に応じたKPIの設定も重要です。顧客の声収集なら「月間投稿数」、解約率低下なら「コミュニティ参加者の継続率」など、測定可能な指標を決めると良いです。

経営層や関係部署と合意を取り、中長期的な視点で取り組める体制を整えることが成功への第一歩です。

Step2:ターゲット顧客の選定

すべての顧客を対象にせず、自社や商品への関心が高いロイヤルカスタマーに絞って招待したほうが効果的です。

購入頻度が高い、SNSで積極的に発信している、サポートへの問い合わせが多い(良い意味で関心が高い)顧客をリストアップします。こうした顧客は、コミュニティの初期メンバーとして活動を牽引してくれる可能性が高いです。

最初から大人数を集めようとせず、10〜30名程度の少数精鋭でスタートし、徐々に拡大していく方が健全に成長します。

Step3:プラットフォームの選択

目的とターゲットが決まったら、コミュニティを運営するプラットフォームを選びます。専用プラットフォーム型、SNSグループ活用型、チャットツール活用型など、いくつかの選択肢があります。

予算やリソース、求める機能、参加者の利便性を総合的に判断しましょう。初めての場合は、低コストで始められるSNSグループから試験的にスタートし、手応えを感じたら専用プラットフォームに移行する方法も有効です。

ターゲット顧客の年齢層やデジタルリテラシーに合わせ、参加しやすい環境を優先して選んでください。

Step4:ガイドライン・ルールの策定

コミュニティを開設する前に、運営ガイドラインやルールを策定してください。禁止事項、免責事項、投稿削除基準、個人情報の取り扱いなどを明文化し、参加者全員が守るべきルールを明確にします。

ガイドラインがないと、トラブル発生時に適切な対応ができず、信頼を失う可能性があります。

ただし、参加者の自由な発言を過度に制限しないよう注意が必要です。健全なコミュニティ運営のための最低限のルールに留め、あとは参加者の良識に委ねる姿勢が望ましいです。

Step5:初期メンバーの招待と活性化

準備が整ったら、選定した顧客にコミュニティへの招待を行います。メールやDM、購入時の同梱物などで、コミュニティの目的や参加メリットを丁寧に説明し、参加を促すことも大切です。

初期メンバーが集まったら、企業側から話題提供を行い、投稿のきっかけを作ります。「初めまして、自己紹介をお願いします」「この商品のどこが好きですか」など、気軽に答えられる質問から始めてください。

企業担当者も積極的にコメントを返し、温かい雰囲気を演出します。最初の1〜2ヶ月が最も重要な時期です。参加者が「ここにいると楽しい」と感じられるよう、丁寧に育てるのがコツです。

コミュニティマーケティングで失敗しないための5つのポイント

コミュニティマーケティングで失敗しないためのポイントのイメージ

コミュニティマーケティングを成功させるには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

  • 長期目線での運用体制の構築
  • 企業主導ではなくサポート役に徹する
  • ロイヤル顧客を初期メンバーに選ぶ
  • 適切なKPI設定と効果測定
  • 継続的なコンテンツ提供と価値提供

それぞれのポイントについて解説していくので、ぜひ実践に活かしてみてください。

長期目線での運用体制の構築

コミュニティマーケティングは、最低でも半年から1年、場合によっては数年単位での取り組みが必要です。この点を経営層や関係部署と事前に合意し、長期的に運営できる体制を整えておきましょう。

担当者の異動や予算削減で中断すると、それまでの努力が水の泡になります。コミュニティ運営を組織の重要施策として位置づけ、専任担当者の配置や継続的な予算確保を行ってください。

定期的に成果報告を行い、エンゲージメント率や投稿数など、短期的な売上以外の指標でも価値を可視化することが重要です。

企業主導ではなくサポート役に徹する

コミュニティマーケティングで最も陥りやすい失敗が、企業が前面に出すぎることです。積極的に情報発信したり議論をコントロールしようとすると、参加者は「企業の宣伝の場だ」と感じて離れていきます。

企業の役割は「サポート役」に徹することです。参加者同士の会話を見守り、必要なときだけ情報提供や質問への回答を行う程度に留めてください。

コミュニティの主役は顧客であり、企業は縁の下の力持ちとして活動しやすい環境を整えることに注力してください。

ロイヤル顧客を初期メンバーに選ぶ

コミュニティの初期メンバー選びは、その後の成否を大きく左右します。無作為に多くの顧客を招待せず、自社や商品への関心が高いロイヤルカスタマーに絞って招待しましょう。

ロイヤル顧客は積極的に参加してくれる可能性が高く、彼らの発信力が他の参加者を刺激してコミュニティ全体を活性化させます。

初期段階で多くの人を集めすぎると参加意識が薄れるため、まずは10〜30名程度の少人数で始め、活発な交流が生まれてから徐々に拡大していく方が健全です。

適切なKPI設定と効果測定

コミュニティマーケティングの効果を正しく評価するには、適切なKPIの設定が不可欠です。売上や新規顧客数だけで判断すると、コミュニティの本当の価値を見逃してしまいます。

コミュニティ特有のKPIとして、アクティブメンバー数、月間投稿数、エンゲージメント率、参加者の継続率、NPSなどを設定しておくと良いです。

また、コミュニティ参加者と非参加者のLTVを比較することで、長期的な収益貢献度を測定できます。これらの指標を定期的にモニタリングし、運営方針の改善に活かしてください。

継続的なコンテンツ提供と価値提供

コミュニティを活性化し続けるには、参加者にとって価値あるコンテンツを継続的に提供することが重要です。刺激がなければマンネリ化し、参加者が離れていきます。

定期的な情報発信、新商品の先行案内、限定イベント、専門家セミナーなど、「このコミュニティにいる価値がある」と感じられる施策を実施するのもおすすめです。

ただし、すべてを企業が用意する必要はありません。参加者自身がコンテンツを生み出せる仕掛けづくりや、顧客主体の企画を促進することで、持続可能なコミュニティ運営が実現します。

運営フェーズ別の課題と対策

コミュニティマーケティングの運営フェーズ別課題のイメージ

コミュニティは成長段階によって直面する課題が異なります。

  • 立ち上げ期:参加者が集まらない
  • 成長期:投稿・会話が生まれない
  • 成熟期:マンネリ化と離脱防止
  • 衰退期:コミュニティの再活性化

ここでは、各フェーズでよくある課題と、その対策を解説します。

立ち上げ期:参加者が集まらない

コミュニティを立ち上げたものの、なかなか参加者が集まらないという課題は非常に多いです。この段階では、まず招待する顧客のセグメントを見直しましょう。購入履歴やエンゲージメントデータをもとに、本当に関心が高そうな顧客を厳選することが重要です。

また、参加するメリットを明確に伝えることも大切です。「限定情報が得られる」「同じ関心を持つ仲間と出会える」「商品開発に関われる」など、参加者にとっての価値を具体的に示すことがポイントとなります。

招待メッセージは、定型文ではなくパーソナライズされた内容にすることで、特別感を演出し、参加率を高められます。最初の20〜30名が集まるまでは、個別にアプローチする丁寧な対応が成功の鍵です。

成長期:投稿・会話が生まれない

参加者は集まったものの、誰も投稿せず、会話が生まれないという課題もよくあります。この「見ているだけ」の状態を打破するには、投稿のハードルを下げる工夫が必要です。

まずは企業側から話題を提供し、気軽に答えられる質問を投げかけましょう。「イエス/ノーで答えられる質問」や「選択肢から選ぶアンケート」など、考えなくても答えられる内容が効果的です。また、投稿に対しては必ず企業担当者がリアクションし、投稿者が「反応してもらえた」という満足感を得られるようにします。

さらに、積極的に投稿してくれるメンバーを見つけ、その人を中心にコミュニティが回るよう支援することも重要です。リーダー的存在が生まれると、他のメンバーも触発されて発言しやすくなります。

成熟期:マンネリ化と離脱防止

コミュニティが軌道に乗った後も、油断は禁物です。成熟期には、同じパターンの繰り返しでマンネリ化し、参加者が離れていく課題が発生します。この時期には、新しい刺激を定期的に提供することが重要です。

新しい企画やイベントの導入、外部講師を招いたセミナー、オフライン交流会の開催など、変化を生み出す施策を実施。また、参加者自身が企画を提案できる仕組みを作ることも効果的です。

「こんなイベントをやってみたい」というアイデアを募集し、実現可能なものは実行に移すことで、参加者の当事者意識が高まります。コミュニティが「自分たちの場所」だと感じてもらうことが、長期的なエンゲージメント維持につながるでしょう。

衰退期:コミュニティの再活性化

どれほど努力しても、コミュニティが衰退期に入ることはあります。投稿数が減少し、アクティブメンバーが減っていく場合、まずは原因分析が必要です。アンケートやヒアリングを通じて、参加者がなぜ離れていったのかを把握しましょう。

衰退の原因が明確になったら、抜本的な改革を検討します。コミュニティの目的やコンセプトを見直し、リニューアルすることも選択肢の1つです。また、一時的にクローズして、本当にコアなメンバーだけで小規模に再スタートする方法も有効です。

無理に維持しようとするより、一度リセットして新たな形で始める方が、結果的に良いコミュニティが再構築できるケースもあります。重要なのは、衰退を恐れず、柔軟に対応することです。

おすすめのコミュニティ運営ツール

運営フェーズ別の課題のイメージ

コミュニティを効果的に運営するには、適切なツールの選択が重要です。ここでは、主なツールの種類と選定ポイントを解説します。

専用コミュニティプラットフォーム

本格的にコミュニティマーケティングに取り組むなら、専用プラットフォームの活用をおすすめします。commune、coorum、TeleMeなどが代表的なツールです。

投稿機能、コメント機能、イベント管理、会員管理、通知機能など、運営に必要な機能が標準搭載されています。分析機能も充実しており、アクティブユーザー数や投稿数、エンゲージメント率をダッシュボードで確認可能です。

月額費用はかかりますが、デザインのカスタマイズもでき、ブランドイメージに合ったコミュニティサイトを構築できます。

SNS・チャットツールの活用

初めての運営や予算が限られている場合は、既存のSNSやチャットツールを活用する方法もあります。Facebookグループ、Slackワークスペース、Discordサーバー、LINEオープンチャットなどが選択肢です。

無料または低コストで利用でき、多くのユーザーが使い慣れているため参加ハードルが低い点がメリットです。

ただし、プラットフォーム側の仕様変更の影響を受けやすく、データの所有権や分析機能に制限があります。試験的に始める場合や小規模運営には適していますが、本格展開なら専用プラットフォームへの移行を検討したほうが良いです。

ツール選定時の比較ポイント

コミュニティツールを選定する際は、必要な機能が揃っているかをまず確認しましょう。投稿、コメント、いいね、通知などの基本機能に加え、イベント管理や会員管理、アンケート機能など、自社の運営に必要な機能があるかをチェックしてください。

比較項目 専用プラットフォーム SNS・チャットツール
初期費用 中〜高 無料〜低
カスタマイズ性 高い 低い
データ所有権 企業側 プラットフォーム側
参加ハードル やや高い 低い
分析機能 充実 限定的

次に費用対効果を検討します。初期費用、月額費用、追加オプション費用を総合的に判断し、予算内で運営できるか確認してください。参加者の使いやすさ(UIのシンプルさ、スマホ対応)、セキュリティ面(個人情報の取り扱い、データ保管場所)、サポート体制なども重要な選定基準です。

コミュニティマーケティングの企業の成功事例

コミュニティマーケティングの企業の成功事例のイメージ

実際にコミュニティマーケティングで成果を上げている企業の事例を紹介します。それぞれの取り組みから、成功のヒントを学びましょう。

カゴメ株式会社|&KAGOME

カゴメ株式会社は、ファンとの継続的な交流を目的とした会員制ファンコミュニティサイト「&KAGOME(アンドカゴメ)」を運営しています。このサイトでは、ユーザー同士が食に関するテーマで気軽に交流できる「トークルーム」や、オリジナルレシピを投稿できる「レシピのーと」など、双方向コミュニケーションが可能なコンテンツが用意されています。

特筆すべきは、ファンの声から実際に商品やプロジェクトが生まれている点です。CMで使われる「カゴメ、カ・ゴ・メ」というサウンドロゴも、&KAGOME内で実施されたアンケート結果をもとに決定されました。

企業が一方的に情報を発信するのではなく、ファンの意見を真摯に受け止め、商品開発や企業活動に反映させることで、強固なファンコミュニティを築いています。

▶参照:カゴメ株式会社ニュースリリース

株式会社良品計画|IDEA PARK

無印良品を展開する株式会社良品計画は、顧客参加型の商品開発に長年力を入れてきました。2014年には「IDEA PARK(アイデアパーク)」というプラットフォームを開設し、ユーザーの声をモノづくりに活かす仕組みを強化しています。

IDEA PARKでは、顧客が商品へのリクエストや改善提案を投稿でき、他のユーザーや無印良品スタッフとディスカッションができます。開設から2年間で1万件以上の意見が集まり、それらを参考に200点以上の商品を見直したという実績があります。

「持ち運べるあかり」や「体にフィットするソファ」など、コミュニティから生まれたヒット商品も数多く存在します。顧客を商品開発のパートナーとして巻き込むことで、ブランドへの愛着を深める仕組みが構築されています。

▶参照:IDEA PARK公式サイト

サイボウズ|kintone Café

サイボウズ株式会社が提供する業務改善プラットフォーム「kintone」には、ユーザー主体の勉強会コミュニティ「kintone Café」があります。このコミュニティの特徴は、企業主導ではなく、ユーザー自身が各地に支部を立ち上げ、自主的に勉強会やイベントを開催している点です。

全国各地に支部が存在し、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層が参加しています。サイボウズはコミュニティの主催者ではなく、あくまでサポート役に徹しており、情報提供や会場提供などの支援を行っています。

ユーザー同士が活用ノウハウを共有し合うことで、製品の理解が深まり、継続利用率の向上につながっています。BtoB SaaS企業におけるコミュニティマーケティングの成功事例として、多くの企業が参考にしています。

▶参照:kintone Café公式サイト

BASE FOOD|完全栄養食コミュニティ

完全栄養食を展開するDtoCブランド「BASE FOOD」は、「BASE FOOD Lab」というオンラインコミュニティを運営しています。このコミュニティでは、ユーザーが BASE FOODを使ったアレンジレシピを共有したり、健康的な食生活について語り合ったりしています。

DtoCブランドは顧客との直接的な関係性が強みであるため、コミュニティマーケティングとの親和性が非常に高いです。BASE FOODは、コミュニティで得られた顧客の声を商品改良や新商品開発に活かしており、実際にコミュニティメンバーの意見をもとに味の改良や新フレーバーの開発を行っています。

単なる「商品購入者」ではなく、「BASE FOODの仲間」として顧客を巻き込むことで、高いロイヤルティと継続購入率を実現しています。

▶参照:BASE FOOD Lab

コミュニティマーケティングに関するよくある質問

コミュニティマーケティングに関するよくある質問のイメージ

コミュニティマーケティングに関して、よく寄せられる質問をまとめました。

  • Q1:小規模企業でも導入できる?
  • Q2:SNSとの使い分けは?
  • Q3:運用に必要な人員は?
  • Q4:どれくらいで効果が出る?

それぞれについて回答していきます。

Q1:小規模企業でも導入できる?

はい、小規模企業でもコミュニティマーケティングは導入可能です。むしろ、顧客との距離が近い小規模企業の方が、コミュニティとの相性は良いと言えます。

最初は無料のSNSグループやチャットツールを活用し、10〜20名程度の小さなコミュニティから始めることをおすすめします。大手企業のように大規模なプラットフォームを構築する必要はなく、顧客との密なコミュニケーションを重視した運営が可能です。

重要なのは規模ではなく、顧客との関係性の質です。

Q2:SNSとの使い分けは?

SNSとコミュニティは、役割が異なります。SNSは情報発信や認知拡大、新規顧客へのリーチを目的とした「外向き」のツールです。

一方、コミュニティは既存顧客との関係性強化や深い対話を目的とした「内向き」のツールと言えます。理想的なのは、両方を併用することです。SNSで広く情報を発信しながら、興味を持った顧客をコミュニティに誘導し、そこで深い関係性を構築します。

SNSは入口、コミュニティは居場所と考えると、使い分けがしやすいはずです。

Q3:運用に必要な人員は?

コミュニティの規模や活動内容によりますが、最低でも専任または兼任で1名は必要です。小規模なコミュニティ(50名以下)であれば、兼任で週に数時間程度の対応でも運営可能ですが、100名を超えるコミュニティになると、専任担当者の配置が望ましいです。

投稿の確認、コメント返信、イベント企画、トラブル対応など、日々の運営業務は想像以上に手間がかかります。また、1人に負担が集中すると属人化のリスクがあるため、複数名でチーム体制を組むことが理想的です。

Q4:どれくらいで効果が出る?

コミュニティマーケティングは、短期間で効果が出る施策ではありません。最低でも半年、通常は1年以上の時間をかけてコミュニティを育てる必要があります。最初の3ヶ月は参加者を集め、活動の基盤を作る時期です。

その後、徐々に投稿や会話が増え始め、6ヶ月〜1年程度でコミュニティが自走し始めます。ビジネスへの明確な成果(売上向上や解約率低下など)が数字として現れるのは、1年以上経ってからというケースが多いです。

中長期的な視点を持ち、焦らず着実に育てることが成功の鍵です。

顧客との絆を深めて持続的成長を!

顧客との絆を深めて持続的成長をするイメージ

コミュニティマーケティングは、既存顧客との関係性を深め、中長期的な収益基盤を構築するマーケティング手法です。広告費の高騰や獲得効率の低下が進む現在、既存顧客を大切にする施策の重要性はますます高まっています。

この記事では、コミュニティマーケティングの基本から実践方法、成功事例まで網羅的に解説しました。重要なのは、企業が前面に出るのではなく、顧客主体のコミュニティを育てるサポート役に徹することです。短期的な成果を求めず、長期的な視点で顧客との信頼関係を築いていきましょう。

コミュニティマーケティングは、時間と労力がかかる施策ですが、その先には強固な顧客基盤とブランドへの深い愛着が待っています。まずは小さく始め、着実に育てることで、持続的な成長を実現してください。

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ながた
編集プロダクションで旅行ガイドブックの取材・制作に携わった後、Webライターの道へ。お酒と激辛料理をこよなく愛するインドア派。シーズン中はもっぱら野球観戦。

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