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ステップメールとは?基本の作り方と無料で使える配信ツールおすすめ4選

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メールマーケティングの手法の1つとして知られるステップメール。

登録者全員に一斉配信するメルマガとは異なり、ステップメールは各ユーザーの求める情報を最適なタイミングで段階的に送信できます。シナリオ設計や配信メールの作成にはある程度の時間と手間をかける必要がありますが、効果的に運用できれば、見込み客・既存顧客の購買意欲の促進が期待できるでしょう。

本記事では、ステップメールの導入を検討している方に向けて、メルマガとの違いや導入するメリット・デメリット、基本的な設計方法について詳しく解説していきます。無料で使えるメール配信ツールも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ステップメールとは?

ステップメールとは、資料請求や会員登録、初回購入など、特定のアクションを起こしたユーザーに対して、あらかじめ作成しておいた複数のメールを段階的に自動配信する仕組みを指します。

例えば、オンラインショップで商品を購入した際、次のようなメールを受信したことのある方も多いのではないでしょうか。

注文当日:注文確認(例:ご注文ありがとうございます)
3日後:到着確認&商品の使い方(例:商品は届きましたでしょうか)
5日後:おすすめ商品の案内(例:○○商品が初回限定50%OFF!)
7日後:キャンペーン情報(例:特別なご案内!人気商品プレゼントキャンペーン実施中)

上記はあくまでも一例ですが、このように段階を踏んで配信する一連のメールをステップメールと呼びます。

主に既存顧客へのフォローアップや見込み客の育成を目的として活用されるケースが多く、例えば、リピート購入を促す「キャンペーン情報」や、セミナー・展示会への参加者を募る「イベント案内」、開封率の向上を狙った「お役立ち情報」など、企業によってさまざまなコンテンツが配信されています。

※メールマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ

>低コストなのに効果が高い!メールマーケティングの始め方とは?

メルマガとの違い

では、従来より主流であったメルマガとステップメールは何が違うのでしょうか。

双方の違いは主に3つあります。

メルマガステップメール
配信のタイミング企業が主体ユーザーが主体
配信方法リアルタイム配信予約配信
シナリオの有無無しあり

まず、メルマガは、新製品の告知やキャンペーンの案内など、主に企業がアピールしたい情報を企業側のタイミングで登録者全員に一斉配信します。ストーリー性のあるメルマガもありますが、基本的には1通で完結するケースが多く、会員登録前に配信された過去のコンテンツは見ることができません。

一方、ステップメールは、ユーザーの行動を起点として、あらかじめ用意しておいた複数のメールをシナリオ形式で自動配信します。トリガーとなるアクションを起こした個々人に対して順次同じ内容が配信されるため、条件を満たした人全員が1通目から受信することが可能です。

旬の情報を届けたい場合はメルマガが向いていますが、ユーザーが知らないと困る情報がある場合はステップメールを使った方がよいでしょう。

※メルマガについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ

>メルマガの効果はまだ見逃せない!有効なポイントとおすすめシステム

ステップメールを導入するメリット・デメリット

ここからは、ステップメールを導入するメリットとデメリットについて解説していきます。

まずは、メリットから確認していきましょう。

メリット

ステップメールを導入するメリットとして、主に次の3つが挙げられます。

・見込み客の購買意欲を促進できる
・ブランド想起率の向上が期待できる
・メール配信業務を自動化できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

見込み客の購買意欲を促進できる

ステップメールは自社の商品・サービスに興味を持つユーザーに対して、シナリオ仕立てで効果的に訴求できるため、見込み客の購買意欲を徐々に高めることができます。有益な情報を提供し、顧客との信頼関係を構築できれば、問い合わせや売上の増加も期待できるでしょう。

ブランド想起率の向上が期待できる

資料請求や初回購入の実績がある顧客も、その後のフォローアップが足りなければ、企業のことを忘れてしまいます。その点、ステップアップメールであれば、定期的に顧客との接点を持てるため、企業や商品・サービスを覚えてもらえる可能性が高いです。自社の魅力を繰り返しアプローチできるので、上手く活用できればリピーターの獲得にもつなげられるでしょう。

メール配信業務を自動化できる

一般的にステップメールは、マーケティングオートメーション(MA)ツールやメール配信ツールを活用するため、あらかじめ配信設定を行っておけば、その後の業務を自動化できます。もちろん、定期的な見直しや改善は欠かせませんが、手動で配信する手間が省けるのは大きなメリットといえるでしょう。

※マーケティングオートメーション(MA)ツールについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ

>マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?目的別に機能を比較!

>MAとSFAとCRM~マーケティングツールの効果、運用方法~

デメリット

続いて、ステップメールのデメリットについて解説していきます。

・メールアドレスの収集に時間がかかる
・配信メールの作成に工数がかかる

こちらも1つずつ確認していきましょう。

メールアドレスの収集に時間がかかる

ステップメールを配信するには、何よりもまずメールの送り先である顧客を獲得しなければなりません。Webサイトへの訪問者が多い場合は登録フォームを設けることで一定数のアドレスを獲得できるかもしれませんが、現時点で訪問者が少ない場合は、広告やSEO対策などWebサイトへの流入を増やす施策も検討してみてください。

なお、サイト訪問者が多いにもかかわらずアドレスの獲得まで至らない場合は、Webサイトの内容に有益な情報が少なかったり、導線が悪かったりする場合があります。コンテンツを増やしたり、デザインを修正することで改善する可能性があるため、一度見直してみましょう。

配信メールの作成に工数がかかる

ステップメールを導入することで配信業務は自動化できますが、配信するメールは自身で作成しなければなりません。本数や内容によって作業量は変わってきますが、シナリオの構成や複数に及ぶメール本文の作成には、それなりの時間がかかることを覚悟しておいた方がよいでしょう。

ステップメールの基本的な作り方

では、実際に運用するには、どのような手順を踏む必要があるのでしょうか。ここからは、ステップメールの基本的な作り方を5つのステップに分けて解説していきます。

Step1.目的とターゲットを明確にする
Step2.シナリオを設計する
Step3.メール文を作成する
Step4.メールの配信設定を行う
Step5.配信結果を分析して改善する

上から順に詳しく見ていきましょう。

Step1.目的とターゲットを明確にする

まずは、ステップメールを導入する目的を明確にしましょう。「CV率を向上したい」「開封率を上げたい」「リピート購入やサービスの継続利用を促したい」など、達成したいゴールによって、施策の方向性が変わってきます。曖昧なままで進めてしまうと、1通目から最終配信までに統一性を持てなくなってしまうため、なるべく具体的に決めるようにしましょう。

また、その際にターゲットを設定することも忘れてはいけません。資料請求した人なのか、会員登録した人なのか、初回購入した人なのか、など、上記で定めた目的を達成するために最適なターゲットを選定し、カスタマージャーニーマップなどを用いて彼らの購買行動を細かく予想しておきましょう。

Step2.シナリオを設計する

続いて、Step1で作成したカスタマージャーニーマップなどを基に具体的なシナリオを設計していきます。配信数や配信間隔は扱う商品や目的によって異なりますが、例えば、サービスの継続利用を促したい場合は、申込後から契約更新までの期間で完結するようなストーリーを展開するのがベストです。

申込直後のサンクスメールから始まり、サービスの使い方やお役立ち情報などユーザーにとって有益な情報を複数回に分けて配信し、更新のタイミングで継続利用を訴求するなど、どのタイミングで、どんなコンテンツを提供すれば次のアクションに進んでくれるのか、ユーザーの気持ちになって考えてみましょう。

Step3.メール文を作成する

シナリオを設計したら、1通ごとに配信メールを作成していきます。

1つのメールに盛り込む内容は、基本的に1テーマです。営業色が強く出てしまうと敬遠されてしまう恐れがあるため、あくまでもユーザーに役立つ情報を届けることに重きを置きながら、その延長線上で自社の商品やサービスを紹介するようにしましょう。

また、メール文面はもちろん、コンテンツ全体の読みやすさにも気を配らなければなりません。画像の配置やリンクの大きさなど、ストレスを感じないようなレイアウトを意識しましょう。

Step4.メールの配信設定を行う

配信メールを全て作成したら、マーケティングオートメーション(MA)ツールやメール配信ツールを利用して配信設定を行います。Step2で決めた配信スケジュールに沿って条件を設定していきましょう。

Step5.配信結果を分析して改善する

ステップメールの配信を開始したら、定期的に配信結果の分析を行いましょう。最初に決めたゴールを達成できているのか、達成できていない場合はどこに課題があるのかを把握し、配信のタイミングやコンテンツの内容を改善していきます。

運用がスタートしてからしばらくの間は目に見えるような成果が出づらいかもしれませんが、効果検証と改善のサイクルを繰り返すことで徐々に効果が現れてくるので、中長期的な視点をもって取り組んでみてください。

無料で始められる!ステップメール配信ツールおすすめ4選

最後に、無料で使えるステップメール配信ツールを4つ厳選して紹介します。

・メールdeコネクト
・オレンジメール
・ワンステップメール
・Benchmark Email

無料プランがあるものや特定の条件下であれば無料で使えるものをピックアップしたので、コスト負担なく始めたい方は、ぜひ利用を検討してみてください。

メールdeコネクト

「メールdeコネクト」は、初期費用・月額費用無料で顧客情報10万人まで登録できるメール配信ツールです。シナリオメールの設定やHTML形式のメール機能、入力フォームのカスタマイズなど、メールマーケティングに必要な機能が充実しています。

また、開封確認機能やクリック数・成約数の確認機能も搭載されているため、メール配信のみならず効果測定までこのツール1つで対応可能。メールのコンテンツ制作サポートも用意されているので、ステップメールを初めて実施する方にもおすすめです。

公式サイト:メールdeコネクト

オレンジメール

「オレンジメール」は、5分間の動画マニュアルを確認するだけで簡単に操作できる初心者向けのメール配信ツールです。14年間で75,000ユーザーもの運用実績があり、ノウハウも豊富。メールサポートも付いているため、運用に不安がある方も安心して利用できるでしょう。

機能面も充実しており、メルマガ配信やステップメール配信はもちろん、ABテストやクリック測定機能などのマーケティング機能も充実しています。料金プランは「無料版」「ビジネス版」「エンタープライズ版」という3種類が用意されており、半年間無料で使える「無料版」では最大で100件まで配信可能。「ビジネス版」にも30日間の無料トライアル期間が設けられているため、本格導入する前に施策効果を体験できます。

公式サイト:オレンジメール

ワンステップメール

「ワンステップメール」は、全ての機能を完全無料で利用できるサービスです。

配信数に制限は設けられておらず、複数のステップメールを同じタイミングで配信することが可能。操作画面もシンプルなので、専門的な知識がなくても簡単に設定できるでしょう。

また、メルマガやステップメールに必ず設置しなければならない解除リンク(退会導線)が自動で挿入されるのも魅力的です。

公式サイト:ワンステップメール

Benchmark Email

「Benchmark Email」は、月間250通までなら無料で配信できるメール配信システムです。2004年の設立以来、世界50万社で利用されている実績豊富なサービスで、海外発ながら日本語にも対応しているため、戸惑うことなくスムーズに利用できます。

また、ドラッグ&ドロップ形式のメールエディターで簡単におしゃれなHTMLメールが作成できるため、デザインにこだわりたい方にもおすすめです。リアルタイムで効果を見られるレポート機能もあるため、スピーディーにPDCAを回せるでしょう。

公式サイト:Benchmark Email

ステップメールは効果検証と改善のサイクルを続けることが大切

ステップメールは、見込み客の育成やリピーターの獲得を戦略的に進めるうえで非常に有効な手段です。配信を開始するまでのシナリオ設計やメール文面の作成には工数がかかりますが、一度運用を始めてしまえば、その後の配信業務を省略できます。ユーザーの行動を起点として自動でアプローチしてくれるので、大幅な効率化を図れるでしょう。

ただし、ステップメールの効果を高めるためには、定期的な見直しと改善も忘れてはいけません。中長期的に取り組み、ユーザの潜在的なニーズに近づくことができれば、より訴求力の高い内容にアップグレードしていけます。最後に紹介したように、無料で導入できるツールもあるので、メールマーケティングを強化したい方は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ながた
編集プロダクションで旅行ガイドブックの取材・制作に携わった後、Webライターの道へ。お酒と激辛料理をこよなく愛するインドア派。シーズン中はもっぱら野球観戦。

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